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記事全文を読む→仮想通貨9900億円強奪!金正恩が「血筋を問わず実力者を無条件に選べ」と命じた「北朝鮮ハッカー英才教育」の猛烈実態
世界最大の仮想通貨取引所「バイナンス」から、ものの20分で9900億円が消えた。
10月29日に発生したのは、暗号資産の窃取では史上最悪の事件。FBI(アメリカ連邦捜査局)はその後、北朝鮮のハッカー集団「トレーダートレイター」の犯行だと断定し、発表した。
これに北朝鮮が反応。金正恩総書記の妹、金与正総務部長は「敵対的な人々と向かい合う必要はない」と反論している。
その影は日本にも及ぶ。11月2日に会見が行われたGMOインターネットグループへの不正アクセスでも、北朝鮮系集団の関与が疑われると報じられている。
国民の大半が世界のネットに触れられない北朝鮮で、なぜこれほどの凄腕ハッカーが育つのか。
北朝鮮事情に詳しいジャーナリストが解説する。
「実は北朝鮮では、世界でも群を抜くハッカー養成のための英才教育が行われているんです。全国の小学校から数学や科学に秀でた子供をスカウトし、平壌の金星第1、第2中学校へ。6年間、最高級のコンピューターを与えてプログラミングを叩き込み、金策工業総合大学などの名門に進学させます」
異例なのは、その選抜の基準だ。血筋で人生が決まる独裁国にあって、金総書記は「血筋を問わず、実力のあるハッカーを無条件に選べ」と命じたと、韓国紙が報道。優秀な者は家族ごと平壌に呼び寄せられる。との証言もある。
盗み取った額は昨年の輸出総額の13倍以上
先のジャーナリストが続ける。
「ハッカーは生まれより腕で出世できる、数少ない職業。若手の月給は約2000ドルと、海外駐在の主要大使の2倍だそうです。こうして育った人材の受け皿となるのは、金総書記に直結する情報機関の偵察総局。2025年にはその統制下に、AIを使ったハッキング技術を開発する227研究所が新設されたと報じられました。国外で動く要員を24時間体制で支える、いわば後方の頭脳です」
同じ偵察総局につながる実戦部隊のひとつが、バイナンスの事案で名指しされたトレーダートレイターだという。この部隊の常套手段は、採用担当者を装って社員に近づく、という手口だ。今回もバイナンスのエンジニアが架空企業の採用面接にハメられたと、同社は説明している。
世界の仮装通貨取引の実情を知る金融関係者が言う。
「盗んだ資産は細かく分散して足跡を消し、中国などの仲介業者を通じて現金に換える。国連の専門家パネルによれば、サイバー攻撃は外貨収入の約半分、大量破壊兵器の開発資金の約4割を賄っているとされます。今回の被害額は、北朝鮮の昨年の輸出総額の13倍以上。ハッカーこそが、ならず者国家の稼ぎ頭なのです」
英才教育の授業料を、世界が払わされているのだ。
(川瀬大輔)
1977年生まれ。国内外のビジネス、スポーツ、政治、社会問題を取材するフリー記者。
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