根強い石田ゆり子の「処女性」
堂々の第5位は、最年少でベストテン入りを果たした“ガッキー”こと新垣結衣(23)だ。同世代向けの作品が多い中では、異例の躍進と言っていい。前出の碓井氏が分析する。
「20代前半の女優が数多くいる中で、彼女がランクインしたのは、南国育ちの天然な明るさが評価されたのだと思います」
アンケートでも、「透明感」(大阪府・50歳)、「キュートな声と豊かな表情」(岐阜県・55歳)といったキーワードが躍っている。
第6位はセクシーさで他の女優の追随を許さない藤原紀香(40)。正直、ドラマでの演技力はトホホな気がするが、「“藤原紀香”を演じている」( 福井県・55歳)、「実績はないのに、なぜか大物感が漂っている」(東京都・57歳)など、存在感の強さも女優力と言えそう。
第7位には、映画「悪人」(東宝)でこれまでのイメージを覆すような演技と濡れ場まで披露した深津絵里(39)が入った。かつては女性ファンを中心とした人気も、今や男性にもその魅力が市民権を得たのだろう。
「『踊る大捜査線』(フジテレビ)や三谷幸喜作品といった代表作の魅力もさることながら、最近ではCM『ダイワハウス』で演じるリリー・フランキーの妻役の彼女がすばらしい。ああいう奥さんいいよねって、ちまたでは話題を呼んでいますよ」(前出・碓井氏)
アンケートでも「飾らないよさ」(三重県・52歳)、「表情がマジかわいい」(東京都・64歳)といった“ナチュラルな魅力”を理由にあげている。
8位以下は、個性豊かな成熟した女優が並ぶ。
まずは、もはや国民的女優と言っても過言ではない吉永小百合(66)。「清純な魅力」(山梨県・54歳)といった年齢を感じさせないフレーズが並ぶ。放送評論家・島野功緒氏も賛辞を惜しまない。
「まさに戦後の青春そのもの、シンボル的存在ですね。若い頃はかわいさで売っていたけど、数多く作品を経験するうちに演技力がついてきて、もはや大女優の風格すら備わっている。こういう人は、もう出てこないんじゃないかな」
いくつになっても「処女性」を失わない清純派女優といえば、石田ゆり子(42)だろう。主役で存在感を見せつけるタイプではないが、不思議な透明感を持ち続け、今も観る者を癒やしのオーラで包んでくれる稀有な存在ではないか。
前出の碓井氏が語る。
「男のつらさをわかってくれそうなキャラについつい癒やされてしまう。高根の花ではない、普通の女性のエロスを持ち合わせているあたりが人気の秘密ではないでしょうか」
そして、昨年の視聴率ナンバーワンドラマ「家政婦のミタ」(日本テレビ系)で新境地を開いた松嶋菜々子(38)は10位という結果に。「知性的」(兵庫県・51歳)、「落ち着きがあって引き締まる」(東京都・57歳)といったコメントからも「ミタ効果」がうかがえる。
「作品に恵まれて大ヒット。この運の強さも女優力の一つ。次回作でどういう演技をするのかが、演技派へ転向できるかどうかの鍵ですね」(前出・松尾氏)
さらには、11位の仲間由紀恵(32)には「演技がうまく、美しいのに謙虚さがある」(千葉県・42歳)と美を称賛する声が。また圏外ながら「開拓者たち」(NHK)に出演している満島ひかり(26)には、「若いながらも、その個性的な魅力を存分に発揮できる女優の一人。妥協しない演技力は今後の日本映画の宝」(千葉県・63 歳)という熱のこもった意見も。
今回のアンケート結果を見て、前出の碓井氏はこう総括する。
「40代以上の男性が女優に求める理想像は、ルックス、演技、色気、性格、脱ぎっぷりの5つのポイントが充実する20代後半に集まっているのが特徴的。そういう意味で夏目雅子の1位は納得できる結果です」
40歳以上の男性諸氏の憧れと妄想をかきたてるようなミステリアスな部分こそ、現代に求められる女優の条件なのかもしれない。
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