事件
Posted on 2012年02月02日 10:56

麻原彰晃「6月死刑執行」の戦慄現場!(3)政権浮揚のきっかけに利用

2012年02月02日 10:56

 法務省幹部が続ける。
「しかし、判決確定から6カ月以内に死刑執行がなされたケースは皆無。したがって、『共犯者が裁判中は』との規定も条文そのままに解釈する必要はない。要は条文をどう運用するかの問題で、法務省は間髪をいれず『平田の出頭で麻原の死刑を延期する必要はない』との結論を出しています」
 そもそも、平田被告に対する審理がどんな経過をたどるにせよ、目黒公証役場事務長逮捕監禁致死事件の主犯が松本死刑囚、従犯が平田被告という大構図が逆転することはありえず、条文どおりの運用に大した意味はない。だからこそ、法務省への援護射撃の意味も込めて、東京地検も平田被告を同事件では逮捕監禁罪のみで起訴したのだ。
 しかし、話はこれで一件落着とはならなかった。法務当局にはもう一つ、「法律上の壁」とはまた別の「政治上の壁」が立ちはだかっていたからである。
 皮肉なことに、その壁は「法務大臣の壁」だった。事実、民主党に政権が交代して以降、法務大臣が死刑執行命令書にサインしたのはわずかに2回。一昨年の8月以降は完全なストップ状態に陥り、現在、確定死刑囚の数は戦後最多の130人に膨れ上がっている。
 そんな中、野田佳彦総理(54)は1月13日に行った内閣改造で、法務・検察出身の小川敏夫氏(63)を新法相に任命した。就任会見で死刑執行について問われた小川法相は、
「たいへんつらい仕事だが、職責を果たしていく」
  と決意を表明したが、実は、この法相交代劇にも法務当局の意向が色濃く反映されていたという。元法相の一人が証言する。
「法務省は野田総理に『法相を交代させろ』と強く迫った。一方、野田総理にも『麻原を絞首台に送れば、内閣支持率は跳ね上がる』との計算があり、法務省と野田総理の思惑がピタリと一致した。野田総理は早ければ今年3月、遅くとも今年9月には解散カードを切るはずだが、大本命は通常国会が閉幕する今年6月。ズバリ、『麻原のXデーは解散・総選挙直前の今年6月某日』ということだよ」
 では、今年6月に訪れる運命のその日、松本死刑囚はどのように最期の瞬間を迎えることになるのか。
 この点について本誌は、松本死刑囚が収監されている東京拘置所をはじめ、全国の刑務所などで「教戒師」を務めた経験を持つ僧侶の証言を得た。「教戒」とは、死刑囚を含む矯正施設の収容者や受刑者に対して、僧侶や神父などが彼らの精神的救済を目的に行う教育活動、啓蒙活動のことである。

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