芸能

又吉直樹「火花」の映像化権が動画配信会社に渡った裏事情とは?

20150903matayoshi

 各社が熱い争奪戦を繰り広げた又吉直樹の小説「火花」の映像化権を手にしたのは、動画配信の黒船こと「Netflix」(ネットフリックス)だった! 9月2日に日本でのサービスを開始する同社が吉本興業とタッグを組んで、2016年に映像化作品を独占配信することとなった。

 人気小説の映像化といえば、近年では「ビリギャル」の例が記憶に新しい。映画がヒットすれば原作本も売れるという相乗効果が期待できるのだが、なぜ「火花」では映画化やテレビ局でのドラマ化を選ばず、動画配信サービスを選んだのだろうか。ネット事情に詳しいIT系ライターが解説する。

「日本での有料動画配信はまだメジャーな存在ではありませんが、米国ではDVDレンタル市場を上回る大きなビジネスとなっています。さらにネットフリックスでは自社でドラマも製作しており、それがけっこうなヒット作となっているのです。しかもお金の掛け方が段違いなんですね」

 たとえばネットフリックス製作のドラマ「House of Cards」では、最初の26話分になんと1億ドル(約110億円)もの制作費を掛けている。アメリカと日本ではドラマの規模が異なるとはいえ、この金額は驚きだ。しかも当のネットフリックス自体が、実はとんでもない巨大企業なのだという。

「会員数は世界50カ国で6000万人以上を誇り、昨年の売上高は55億ドル(約6600億円)にものぼります。国内最大の日本テレビでさえ売上高は3600億円ほどですから、映像を商売とする会社としていかに巨大なのかがわかります」(前出・IT系ライター)

 これだけの資金力があれば、小説の映像化など朝飯前だろう。とはいえ、これから日本に上陸するとあって、日本での映像制作は未経験のはず。ところが、そこにもちゃんとした裏付けがあったのである。前出のITライターが続ける。

「ネットフリックスはオリジナルコンテンツの制作でフジテレビと提携しています。フジテレビには映画製作のノウハウもありますし、吉本興業とも近い関係にあります。『火花』の映像化では吉本所属のタレントを総動員して、映画クオリティの作品を作るんじゃないでしょうか」

 ちなみにネットフリックスで独占配信した映像作品は、フジテレビが地上波放映権を持つことになっている。つまり「火花」の映像化はフジテレビが仕掛けたとも言えるわけだ。いずれにせよ、小説の内容を損なうことなく、わくわくするような映像作品に仕上がることを期待したい。

(金田麻有)

カテゴリー: 芸能   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「メジャーでは通用しない」藤浪晋太郎に日本ハム・新庄剛志監督「獲得に虎視眈々」
2
不調の阪神タイガースにのしかかる「4人のFA選手」移籍流出問題!大山悠輔が「関西の水が合わない」
3
2軍暮らしに急展開!楽天・田中将大⇔中日・ビシエド「電撃トレード再燃」の舞台裏
4
新庄監督の「狙い」はココに!1軍昇格の日本ハム・清宮幸太郎は「巨人・オコエ瑠偉」になれるか
5
【鉄道】新型車両導入に「嫌な予感しかしない」東武野田線が冷遇される「不穏な未来」