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記事全文を読む→元「投資ジャーナル」会長・中江滋樹 兜町の風雲児の逆襲(2)黒田総裁の参謀は読み違えた
中江氏は日銀の政策について、次のように論じた。
「マイナス金利の導入を決めたのは1月29日のことだった。黒田総裁はきっと3月くらいにやろうと思っていたのが、甘利事件が勃発して、それを吹き飛ばそうと安倍晋三総理と相談して導入を早めたと思うね。安倍総理は盟友の甘利さんを窮地から救おうとしたんだよ。浪花節的でいいねぇ。ところが、マイナス金利にしてしまったことで、思わぬ影響が出てしまった。彼らの思惑としては、株は上がるはずだったんだよ。実際、1月29日の昼過ぎ、日銀がマイナス金利政策を導入するというニュースが伝わると、日経平均株価は前日終値から475円も跳ね上がった。銀行株も最初は上がった。ところが、その後はザーッと下がっていく。恐らく銘柄にもよるが、これから5年、10年と持ち続けないとしかたがない時代が来るだろう。あのバブル崩壊の再来だ」
バブル崩壊は90年代初頭に起こった。これは、80年代後半から、投機によって日本の土地や株式などの資産価格が適正水準を大幅に上回った状態が短期間で一挙に崩れ去ったものだ。このバブル崩壊により、73年から続いた安定成長期が終わり、日本は「失われた20年」と呼ばれる低成長期に突入した。
「80年代後半、山手線の内側の土地代でアメリカ全土が買えるくらい、日本の土地価格は高騰していた。日経平均株価は、89年12月29日の大納会に、史上最高値3万8957円44銭をつけた。それが吹き飛んでしまったのが、25年前のバブル崩壊だった。今回も一般の投資家は、株を塩漬けにするしかない。いずれ世界的なバブル崩壊となるだろうから、株価は上がったり下がったりするものの、金持ちにもキツイ時代が来るはずだ。黒田総裁の参謀たちはヨーロッパのマイナス金利を参考にして株価は上がると確信していたのだろうが、どこを読み違えたのかね」
ヨーロッパではデンマーク、ECB(欧州中央銀行)、スイス、スウェーデンがマイナス金利を導入している。とりわけECBとスウェーデンは量的緩和策も導入して政策を補完するなど、金融緩和を加速させる動きが顕著だ。
「マイナス金利にする目的は、大別すると2つある。1つは自国の行き過ぎた通貨高を抑制するためで、もう1つが、デフレを回避すること。特にスイスなどは通貨高で困っていた。ヨーロッパは車で隣国にも出かけるけど、彼らはユーロよりフランだと、スイスに通貨を替えに行く人があとを絶たなかった」
しかし、マイナス金利が景気や株価に効果が乏しいことは、ヨーロッパの例を見れば明らかだ。ヨーロッパの投資家たちの間では、あまり効果はないと冷ややかなのである。
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