芸能

弘兼憲史×萩本欽一 欽ちゃんとドンと「新老人」を楽しもう!(3)前より「死」が近くなった気がする

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萩本 ところで、弘兼さんは、ご自分で年齢の線引きはするんですか?「何歳になったら年寄りだ」とか。

弘兼 いや~、しないですね。

萩本 でしょう? じゃあ弘兼さんも年齢なんか気にしてないんですよ。

弘兼 でも、日本人の男性の平均寿命って約80歳なんですね。そうすると平均まで生きるとして、僕はあと11年なんです。

萩本 だったら、僕はあと6年ですよ(笑)。

弘兼 いやいや、たぶん、萩本さんはもっと長生きしますよ(笑)。だけど、そうやって考えると自分の人生、短いなぁとは思います。

萩本 でも、平均寿命って毎年延びてますよね。

弘兼 確かに。ただ、医者に聞いたら「90歳を超えることはないんじゃないか」と。ガンの治療薬ができるとか、何か劇的な変化があればもっと延びるかもしれませんけど。

萩本 それでも、弘兼さんは自分を老人だと思ってないんでしょう?

弘兼 昔に比べると、何となく死が近くにある気はするんですけどね。ですから、「新老人のススメ」にも書いたんですけど、あと11年あるとしたら引き算で考えるんです。例えば貯金が1000万円あって、それを使い切ろうと思ったら、1年に100万ずつ使わないとなくならないな、とか。そういう計算は何となくしますね。

萩本 僕もね、ある程度寿命の線を引いていた時期があったんですよ。僕の人生は(コント)55号から始まったから、55歳で亡くなるのが最高の人生じゃないかって。で、その頃にちょうど貯金もなくなるといいかなぁと思って、ムダづかいして生活してたんです。そしたら、55歳になってもピンピンしてた(笑)。

弘兼 アハハハハハ!

萩本 だから、そのあとに稼ぐのがえらい大変だったんです(笑)。だから弘兼さんだって、気をつけたほうがいいかもしれませんよ。

弘兼 う~ん、確かにそうなんですよね。そういうふうに逆算して生きられればいいとは思うんですけど、実際はそううまくいかないですから。それに僕もわりに行き当たりばったりに生きてまして、実はそのほうが好きなんですよね。

萩本 あらら(笑)。「平均寿命まであと11年」の話はどうなったんですか?

弘兼 こういうのは、まさに「朝令暮改」と言いますね(笑)。言っていることがコロコロ変わるという。

萩本 でも、今の自分が元気を出すために「あと8年しか人生はない」みたいな考え方で生きるのは、いいかもしれないですね。「いつまでも元気でいたい」だとしんどいけれど、「80歳で人生が終わる」と思えば、逆に何でもできる。当然その先もあるのかもしれないですけど、その時はその時でね。

弘兼 なるほど。

萩本 例えば、それを言い訳にして知らない女の人に声をかけるとかできるじゃないですか。「ごめんなさい、あと3年しか寿命がなくて急いでるもんですから、声かけさせてもらいました」なんてね(笑)。

弘兼 ハハハ、よく晩年の森繁久彌さんがそんな感じだったって言いますよね。女優さんやスタッフの女性のおしりを触るのが当たり前になっていて、みんなも「森繁さんだからしょうがないか」って思ってたそうですが。

萩本 あれ、女性に言わせると、「触らせてくれ」っていうのは「おはようございます」と一緒だったらしいですよ。朝の挨拶の1つなんですって(笑)。

弘兼 長く生きると、そんな境地にたどりつくんでしょうか。私なんか、まだまだ森繁さんの域には達せませんけどねぇ。

萩本欽一(はぎもと・きんいち) 1941年東京都出身。66年に坂上二郎と「コント55号」を結成、たちまちお茶の間の人気者に。80年代には「欽ちゃんのどこまでやるの!?」などで視聴率「100%男」の異名を取るまでに。昨年4月に駒澤大学仏教学部に入学、大きな話題を呼んだ。

弘兼憲史(ひろかね・けんし) 1947年山口県出身。早稲田大学法学部卒業後、松下電器産業(現パナソニック)勤務後、74年に漫画家デビュー。主な代表作は「島耕作」シリーズ、「黄昏流星群」など。

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