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記事全文を読む→秋津壽男“どっち?”の健康学「認知症予防に有効なトレーニング。報酬期待が高まると脳は活性化する」
先日、元宮崎県知事の東国原英夫さんがテレビで母親の介護の実態を話していました。88歳のお母さんが認知症になり、「介護されるなら死んだほうがましだ」と叫びながら暴れる母の手足を縛ったこともある、と告白していました。
58歳になる東国原英夫さんが88歳の母親の面倒をみているとおり、これからの日本では「老老介護」が当たり前になると思われますが、認知症になると介護する側も大変です。
認知症には絶対的な予防法はありませんが、「こうすればなりにくい」という目安はあります。
「野菜・果物・魚を食べる」
「週3日ほど有酸素運動をする」
「人とおつきあいをする」
「文章の読み書きやゲームをする」
「起きたら2時間以内に太陽の光を浴びる」
「趣味を増やす」
ちなみにお酒もポリフェノールが含まれている赤ワインが効果的とされています。
また、認知機能の低下を防ぐために、あえて2~3日前の日記をつけたり、料理の際には同時に複数のメニューを作るといった作業もオススメです。
では、ここで質問です。指先を動かすことで脳が活性化するのは知られるところですが、「折り紙」と「麻雀」とでは、どちらがより認知症予防に効果的でしょうか。
まず折り紙ですが、「細かく手を使う、やるたびに上手になる、新しいモノを作る」といった作業はもちろん認知症予防に威力を発揮しますが、麻雀と比べた場合の大きな違いは、「報酬」すなわち「ご褒美」にあります。
仕事について考えてもらえばわかりやすいですが、金銭という対価が支払われると言われると、不思議と企画やアイデアが湧いてきます。人間の脳とはある意味わがままで、報酬を求めるようにできています。
つまりご褒美がたくさんあればあるほど、脳が活性化されるのです。そういう脳の機能を考えれば、やり取りを楽しめる麻雀のほうが、認知症防止につながるのです。もちろん多額の金銭を賭けると違法ですが、トップになった人がお酒をおごってもらえる、などの報酬があれば「頑張ろう」という意欲が湧き、モチベーションが高まるわけです。
もう一つ、麻雀には「役を作る」というおもしろさがあります。同じ役でも平和と清一色では気持ちよさが違いますし、役満を上がった時のうれしさは格別なもの。「役」としての芸術性が、ゲームとしての完成度を高めています。
最近は「(酒を)飲まない」「(タバコを)吸わない」「(お金を)賭けない」という健康麻雀が人気となっていますが、純粋なゲームとしても麻雀に魅力があるからこその人気だと思います。
もちろん、折り紙も認知症予防に効果があるのは言うまでもありませんが、より脳を活性化させる、という点で考えると麻雀に軍配が上がります。
また、指先で牌を見極める盲牌にもチャレンジすると、神経も集中されて認知症予防の効果も増します。なぜなら盲牌は点字と同じ理屈であり、盲牌が高じて点字に興味を持つと、指先による脳の活性化を促進させるでしょう。
折り紙や麻雀のほか、将棋やオセロ、ジグソーパズル、写経、絵画、パソコン、そろばん、楽器演奏なども、「神経が集中している指先を使いながら脳で考える」点が認知症予防に向いており、ひいてはボケ防止につながるわけです。
認知症にならないためにも、年を取ったら「指先を使った新たな趣味」にチャレンジすることをオススメします。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。
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