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記事全文を読む→病魔と闘う荒ぶる役者たちの不屈秘話 「第2回・梅宮辰夫」(3)今でも不良番長をやりたい
溺愛する愛娘・アンナが顔を見るなり怯えて泣いた瞬間がある。東映が実録路線にシフトし、記念碑的なヒット作となった「仁義なき戦い」(73年)である。その第3作「代理戦争」(73年)に梅宮は、神戸の巨大組織・明石組の岩井信一役で出演。モデルとなった人物に合わせ、眉毛を剃り落として異形の迫力を出した。
「それで家に帰ってアンナを抱き上げたら、初めて大泣きされて困ったよ」
筆者は5年前、梅宮からそんなエピソードを聞いている。実はモデルとなった人物とは因縁があり、梅宮がキャバレー営業をしていた頃、若いヤクザに「親分に挨拶がない」と怒鳴られた。
何のことやらわからぬままに頭を下げ、そこからかわいがってもらえるようになった人物こそ、第3作で演じた岩井のモデルである。
第4作「頂上作戦」(74年)で梅宮が演じた岩井と、小林旭が演じた広島の武田明のやり取りは、シリーズでも1、2を争う緊迫した空気をもたらした。
〈わしは、明石組の岩井じゃ!〉
〈ほいじゃ言うとったるが、広島極道は芋かもしれんが、旅の風下に立ったことはいっぺんもないんで。神戸のもんいうたら猫一匹通さんけん、よう覚えとけよ〉
〈よおし、おんどれらも吐いたツバ飲まんとけよ〉
このシーンの話に触れたあと、梅宮は「今は問題があるかもしれないけど」と前置きし、筆者に“本音”を明かした。
「ヤクザの役を演じるんだったら同じメシを食い、同じ酒を飲み、時にはトルコ‥‥今だとソープか、そこに一緒に行くような、そんな“匂い”を吸収するのも大事なことだったんだよ」
若き二枚目から女たらしの不良リーダー役、そして実録路線で貫禄のある幹部役を演じる過程において、梅宮の選択に非はない。監督の内藤誠は、梅宮の成長を常に見続けてきた。
「女優は脱いだら最初から主役だけど、男の役者はそうはいかない。梅宮はテクニックはないが、とにかく懸命に役と向き合ってきた。ただ、今でも『不良番長みたいな映画がないとつまらない』とは言うよ(笑)」
さて、2月に肺炎を悪化させた梅宮だが、9月には「十二指腸乳頭部ガン」で手術したことを娘のアンナが明かした。12時間もの大手術で、家族は再び“別れ”を覚悟したが、無事に成功。所属事務所に聞くと、復帰も近いと答える。
「実は何度も大病をしていて、40年ほど前にもガンが肺に転移したことがありましたが、すべて放射線や抗ガン剤で治してきているんです。今回は初めて切除の手術でしたが、今はもう釣りにも出かけているし、11月にはバラエティやドラマ収録も決まっています」
盟友の松方弘樹を励ますためにも、一足早い仕事復帰を見せてほしい。
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