芸能
Posted on 2016年11月09日 12:57

元日テレ・敏腕プロデューサーが明かす「3年連続視聴率3冠の秘密」(6)「なくなればフジの大打撃」

2016年11月09日 12:57

20161110m2nd

「ZIP!」成功のもう一つの理由は「めざまし」を研究する一方で、徳光和夫(75)、福留功男(74)、福澤朗(53)、羽鳥慎一(45)と続いた、看板男性アナを前面に立てる「ズームイン」スタイルと上手に決別できたことだとも言えよう。

 この「切り替え力」と「ブレない持続力」が日本テレビの強さの一つなのだ。

 私が担当した「ヒルナンデス!」にしても同様である。

 87年10月5日から07年9月28日まで続いた「午後は○○おもいッきりテレビ」は、2代目司会のみのもんた(72)が、高齢女性を「お嬢さん」と呼び高視聴率となった。その系譜の「おもいッきりイイ!!テレビ」(07年10月1日~09年3月27日)などの番組も流れを引き継いで、高齢女性に支えられていた番組であった。

 しかし「笑点」同様に高齢層が見ているだけでは、CMが高く売れない現実があったのだ。

 そこで若い主婦層に見てもらう番組として、11年3月28日から「ヒルナンデス!」がスタートしたのである。目標は「笑っていいとも!」(フジ系)を倒すことだ。

 だがグルメやファッション中心の番組である「ヒルナンデス!」が、「おもいッきり」を見ていた層に受け入れられるわけもなく、従来の視聴者は一気に離れてしまい、低空飛行となった。

 苦しい時期だったが「自分たちのやっていることは間違いではない」と信じて、方向性は維持しながら、さまざまな企画を試行錯誤した。同時に意識したのは、「楽しみながら」番組を作ることだった。

 通常なら1年で打ち切りとなってもしかたない視聴率だったが、日本テレビは「続行」を判断。当時の上層部は、

「可能性のある番組だから続ける」

 と言い、さらに、

「何としても『いいとも!』を倒せ。『いいとも!』はただの番組ではない、なくなればフジテレビにとって大打撃だから」

 と、強力にバックアップしてくれたのである。

 やがて視聴率は上向き始め、アシスタントを務める水卜麻美アナ(29)の人気上昇などもあって「いいとも!」から女性視聴者を奪っていくことに成功する。

 番組開始から3年、ついに「笑っていいとも!」は放送終了となった。

 あの時、1年で番組が打ち切りになっていたら「いいとも!」はまだ続いていたかもしれないのである。

「おもいッきり」からの切り替えと、続行する決断の勝利と言っていいだろう。

村上和彦:(株)プラチナクリエイツ代表。65年生まれ、神奈川県小田原市出身。元日本テレビ放送網制作局専門部長兼演出家・テレビプロデューサー。「ヒルナンデス!」を立ち上げ、「『笑っていいとも!』を終了させた男」として知られる。「スッキリ!!」の視聴率アップや、「24時間テレビ」ほかを総合演出。14年に日本テレビを退職し、フリーランスに転向。現在もテレビ東京「モーニングチャージ」監修ほか番組制作を行っている。

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