一部メディアで「ヒルナンデス!」と「しゃべくり007」という日本テレビの「番組終了検討」報道が、波紋を広げている。だが他の看板番組においても、深刻な事態が進行していることが明らかになった。
まずは「ザ!鉄腕!DASH!!」。1995年にTOKIOの5人を起用して始まったが、2018年に山口達也の強制わいせつ事件(起訴猶予処分)によるグループ脱退、さらには2021年に長瀬智也が脱退して、メンバーが3人に。残った城島茂、国分太一、松岡昌宏は全員アラフィフと高齢化が進む中、SixTONES、なにわ男子、Aぇ!groupらが頻繁に手伝い、番組をなんとか維持している状況だ。
企画の低レベル化も激しい。例えば「DASH海岸」の当初の目的は「東京湾内の工業地帯で渚の再生に挑む」「自然豊かな渚を取り戻すことを目的」としていたが、最近は東京湾全体の企画になってしまったり、巨大魚の捕獲をやるなど、本来の環境再生テーマからは逸脱している。
今年で放送59年を迎える「笑点」もしかり。2016年、桂歌丸の後任として司会に就任した春風亭昇太の仕切りは味気なく、淡々と進むばかりだ。
そしてメンバー構成もアンバランス。桂宮治、林家たい平と明るいキャラが被り、春風亭一之輔は、2022年に亡くなった三遊亭円楽のあとを継いで腹黒キャラ、政治風刺をなんとなく求められたものの、ニヒルを気取るばかりで…。2024年4月に加わった立川晴の輔は相変わらず優等生な回答を繰り返し、薄味だ。
最後は2023年4月にスタートした朝の情報番組「DayDay.」である。元NHKアナの武田真一と山里亮太の相性の悪さに加え、山里の滑舌の問題、そして事件や不倫といった芸能ネタへの踏み込み方の甘さが指摘されている。武田と黒田みゆアナが参加した番組の食事会に、山里だけが呼ばれなかったという驚きの情報もあったほどだ。
好調のように見える日本テレビだが、ゴールデンタイムのバラエティー番組の個人視聴率が、5%に満たないことが増えてきた。局全体の編成戦略が行き詰まりを見せているのではないだろうか。
(魚住新司)