今年もどうやら、日本テレビは「24時間テレビ」をやるらしい。
チャリティランナーについて「本当に走ってるの?」「車に乗ってるのを見た」などという疑いの目を向けられたり、逆に「炎天下の中で長距離を走らせるなんて危険だ」といった、ランナーの健康を気遣っての中止を求める声が上がったり…。
はたまた番組内の企画や特別ドラマのストーリーに対して「障害者や病いを抱える人をネタにして、健常者に感動をもたらそうとしている」という否定的意見や「感動ポルノ」との批判を受けたりと、何年も前からその放送意義が疑問視されている。
2023年11月には、系列局の日本海テレビ元幹部社員が、過去の寄付金を着服していたことが発覚。いよいよ番組の存続が危ぶまれたものの、翌年6月、看板出演者の水卜麻美アナが「ZIP!」や「DayDay.」に生出演し、本件について涙の謝罪。
視聴者からは「社長や幹部ではなく、なぜ水卜ちゃんに謝罪させるのか」と、さらなる批判の声が高まったが、結局のところ、2024年はそれまでの「愛は地球を救う」から「愛は地球を救うのか?」とテーマを変更して放送された。
「愛は地球を救うのか?」というその疑問に対して、答えが出たとは到底思えないのだが、結局、今年の「24時間テレビ」は、元の「愛は地球を救う」にテーマを戻して、8月30日から31日に放送される。
総合司会は昨年に引き続き、上田晋也(くりぃむしちゅー)、羽鳥慎一、水卜アナの3人が担当することや、能登復興チャリティーパートナーに浜辺美波が就任したことなどが告知された。それだけでなく、「24時間テレビ」が本気で人気回復を狙っているなと思うのが、恒例のチャリティーTシャツの件だ。
人気アニメ「名探偵コナン」の青山剛昌氏による、オリジナルデザインの少年探偵団をデザインしたものだと4月に発表されていたが、そのグッズ展開がエグいことになっている。
Tシャツをはじめ、クリアファイルにフェイスタオル、バッグ、ハンディーファンなどに江戸川コナン、吉田歩美、小嶋元太、円谷光彦、灰原哀らがプリントされており、7月1日から日テレ屋・24時間テレビチャリティーグッズ通販サイトで発売されるとのこと(Tシャツのみ一部のイオングループでも取り扱う)。
毎年公開される劇場版の興行収入はほぼ右肩上がりで、今年公開の28作目「隻眼の残像」は、2023年の「黒鉄の魚影」、2024年の「100万ドルの五稜星」に続き、3作連続100億円を突破している。まさに日本テレビのドル箱コンテンツたる「名探偵コナン」のグッズとなれば、これは間違いなく売れる。
ただし、くれぐれも気を付けていただくべき事案がある。「転売ヤー対策」だ。万が一「転売ヤーのせいで、全然買えない!」なんてことになったら、怒りの矛先は日本テレビにも向かいかねない。
ここはしっかりと在庫を用意(もしくは、なんらかの転売対策を)することを提案する。愛が地球ではなく転売ヤーを救うなんてことになったら、本末転倒だから。
(堀江南/テレビソムリエ)