社会
Posted on 2017年01月02日 17:55

アサヒ芸能「スクープ大事件史」Vol.12「日航ジャンボ機墜落、チェルノブイリ原発」安全神話が崩れた大事故の悲惨

2017年01月02日 17:55

2016_60th_hh

 80年代は社会を揺るがせる大きな事件が起こった時代でもあった。チェルノブイリ原発事故も悲惨だが、日航機の墜落現場、御巣鷹山はまさにこの世の地獄だった。

 85年8月29日号はこんな書き出しで始まる。

〈陸上自衛隊が遺体の収容作業を開始した13日の午後、困難な道のりを超えて現場にようやく到着した。そこで見たものは、土にめりこんだ遺体、無残にちぎれた手や足、木に引っ掛かった肉片、そして死臭…。まさにこの世の地獄図絵だった。〉

 修羅場を行く当時の記者の取材魂には脱帽だ。

〈自衛隊員が、引き上げた死体をひとまとめにしている。毛布の間から真っ白い手が見え番号札がつけられている。死ぬと人間の手はこうも白くなるものか。また、ビニールシートがかけられた12歳くらいの女の子の顔もはっきり見える。わきに転がったミッキーマウスの人形が痛々しい〉

 記事は、現場ルポとともに、不幸にして事故機に乗り合わせた乗客の今後の補償問題を総力取材している。

「日本では起きない」と定説のように語られたのだが…

 ソ連・チェルノブイリ原発事故は謎の部分は多いが、米・スリーマイル島事故をはるかに凌ぐ、史上最悪の惨事だった。86年5月15日号は遠く800キロ離れた現地の事情と事故の人体への影響、水や食品への影響について、身近な恐怖が迫っていることを伝えている。

〈高木仁三郎・原子力資料情報室世話人(物理学者)の話。「原子炉はウラン235を核分裂させて稼働し、通常の運転状態なら、核分裂生成物は燃料棒の中に閉じ込められているわけです。ところが、いったん燃料棒が溶け始めると、死の灰が温度上昇に従って、キセノンやクリプトン、ヨウ素、そしてセシウムといった順に、外に飛び出してしまうんです。そして、これらの種類を見れば炉心温度もわかるわけで、今回は1600キロも離れたスウェーデン国内から、セシウムが発見されたことで、燃料棒が解け落ちる「炉心溶融」に間違いないでしょう。スリーマイル島の場合は、約100キロ四方に放射能が検出された程度ですから、比べものになりません。おそらく、核爆発に近い威力だったでしょう」〉

 御用学者が多いなかで、国の政策に批判的な物理学者にインタビューし、的確なコメントを掲載している。が、よもや20年後、日本でも同じような事故が起きるなんて……。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2013年11月26日 10:00

    11月8日、歌手・島倉千代子(享年75)が肝臓ガンで死去した。島倉といえば、演歌の王道を歩むように、その生き様は苦労の連続だった。中でも、莫大な借金返済で味わった地獄は理不尽極まりなかったようで──。島倉は、男を信じて手形の保証人となったせ...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年04月28日 16:30

    バナナマンの日村勇紀が当面の間休養に専念すると、所属事務所ホリプロコムの公式サイトで発表した。今年に入ってから体調を崩すことが多く、医療機関を受診した結果、休養が必要との判断に至ったのだという。「心身の回復を第一に、コンディションを整えなが...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年05月07日 06:30

    ゴールデンウィークが明けても再起の見通しが立たず、長すぎる空白期間を過ごしているのは、左内腹斜筋肉離れでリハビリ中のヤクルト・山田哲人内野手である。沖縄・浦添キャンプのシートノック中に脇腹の張りを訴え、戦線離脱。5月になっても打撃のひねり動...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/5/12発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク