社会
Posted on 2024年12月21日 09:58

中山美穂の「死亡事故」は…入浴中の体調急変「8割以上は冬の熱中症」によるものだった

2024年12月21日 09:58

 気温が下がる冬季の入浴中に発生する死亡事故の大半は「ヒートショック」によるものだと考えられてきた。

 12月6日、中山美穂が遺体で発見された一件も「自宅での入浴中に起きた不慮の事故」とされ、当初は多くの医療専門家が、ヒートショックの可能性を指摘していた。その後、警察による解剖の結果、心筋梗塞や脳卒中といったヒートショックによる「病死」ではなく、「溺死」とみられることがわかった。

 ヒートショックについていえば、冬場の脱衣所で衣服を脱ぐと、室内の寒さで血圧が急上昇する。その状態でいきなり湯船に身を浸せば、今度は湯の熱さで血圧が急降下する。ヒートショックは、このような血圧の急変化によって引き起こされる心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な健康被害であり、そのまま死に至るケースは少なくない。

 ところが近年、千葉科学大学の黒木尚長教授(法医学、救急救命学)らが実施した調査によって、入浴中に浴槽で体調急変に見舞われた高齢者のうち、ヒートショックによるものと考えられるケースは1割にも満たないことが明らかになった。では、入浴中の体調急変の主たる原因は、いったい何だったのか。

 黒木教授らの報告によれば、65歳以上の高齢男女3000人のうち、入浴中に体調が悪化した人の割合は全体の10.8%。このうち熱中症が原因と考えられるケースは62.2%で、熱中症が疑われるケースは22.0%に上った。つまり体調悪化の原因の8割以上は熱中症関連であることが、科学的データとともに示されたのである。ちなみにヒートショックが疑われるケースは、入浴前後を合わせても、7.1%にすぎなかった。

 体温37度の人が湯船で全身浴をした場合、湯温が41度だと33分、42度だと22分で体温は40度に達し、意識障害などの熱中症の症状が出始めるという。高齢者は神経の老化によって熱さを感じにくいため、突然死をもたらすレベル(体温42.5度超)まで入浴し続けてしまうケースもあるというのだ。

 こうなると高齢者に限らず、冬場の入浴で注意すべきは、ヒートショックというよりもむしろ、熱中症ということになる。

 いずれにせよ、命を落とさないための対策を怠ってはならないということだ。

(石森巌)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    エンタメ
    2026年03月08日 08:00

    最近のカルチャーシーンにドーンと鎮座するものに「昭和レトロ」がある。とりわけ主婦層の間では昭和歌謡や復刻家電、駄菓子風スイーツなどがSNSで大きな話題となり、「推し活」の一環としてグッズを集める動きが拡大している。しかし同じ「昭和回帰」でも...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年03月09日 06:45

    例年よりも早い桜の便りが届いている、2026年の初春。東京では上野恩賜公園や代々木公園といった有名花見スポットは、記録的な円安で押し寄せたインバウンド客と、宴会制限が完全に撤廃された解放感に浸る日本人で、まさに足の踏み場もないカオス状態が予...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年03月11日 06:45

    スマホの通知に追われる日常から、少し距離を置く。そんな「デジタルデトックス」では、若者が編み物や日記、フィルムカメラといったアナログ趣味にハマるケースが報告されているが、この流れは中年層にもじわじわと波及している。その背景にあるのは、仕事で...

    記事全文を読む→
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/3/10発売
    ■550円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク