エンタメ

俺たちのビートルズを熱く語ろう(3)

「伝説の武道館」前座出演・尾藤イサオ
「メンバーの楽屋前で警備員と一触即発に!」

 1966年6月30日〜7月2日に行われた伝説のビートルズ武道館公演。前座として同じステージに立った尾藤イサオ(69)が、あの日の興奮を振り返る。

 当時、日劇ウエスタンカーニバルで日本では最大級規模の3000人の大歓声を浴びてはいた。だけど、武道館は1万人だって言うじゃない。「どれ、見てみるか」ってなもんだよね。

 当日はとにかく警備が尋常じゃなかった。エリザベス女王が来たのかというくらい。前座で出る俺や(内田)裕也さんやドリフターズやら、全員で1つの楽屋だったけど、俺たちの移動でさえ、SPみたいなのに囲まれてさ。こっちは「すずめの学校ちいぱっぱじゃねーよ!」って文句タラタラ。でも、裕也さんとオレは出番が終わったら、こっそりアリーナに下りて行ってたの。あの来日公演は武道館初のロックコンサートで、アリーナには観客を入れてなかった。舞台があって、その前に柵があって警備員が取り囲んでる感じ。そんなところにパイプ椅子を出して裕也さんと俺がデンと座ってた。あの伝説の公演、いちばん特等席で見てたのは、俺ら2人なんだよね(笑)。ジョージ・ハリスンが「お前らまた見てんのか!」って、手を振ってくれたよ。ジョージ、いいヤツだったな。それに、ジョンが「ロックンロール・ミュージック」をいきなり歌いだす瞬間はやっぱりカッコよかった。俺もマネしたもん。誰も気づいちゃくれなかったけど(笑)。

 だけど、裕也さんが提案した「楽屋に挨拶に行こう」は大失敗。ビートルズの楽屋は3階で、そこの道だけ舞台からレッドカーペットが敷いてあったんだけど、ローディーにも「OK」をもらってさ、意気揚々と向かったわけ。ところが、楽屋の目前で日本の主催者サイドが血相変えてやって来てさ、「世界が‥‥世界がビートルズを守っている時に、何で邪魔するんだ!」って、ものすごい剣幕で。それを聞いた裕也さんは「何だとぉ!」となるし、もう一触即発状態。でも、裕也さんを引き下がらせるんだから、ビートルズってすごいよな(笑)。俺はその騒ぎを聞いて、ジョンかポールが楽屋から顔を出してくれないかなって期待してたけど‥‥。楽屋のドアの前まで行って、ついに会えずじまいだよ。

  ビートルズの威力?俺の紅白出場がなくなったこともそうだな(笑)。あの4人のせいで猫も杓子もバンド、バンド、バンドって、とてつもないバンドブームが来ちゃってさ。俺みたいなプレスリー型のソロシンガーは落ち目の三度笠ってわけよ(笑)。

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