最近のGoogleマップは地図アプリというより、もはや車載AIに近い。出張先の駅を出た瞬間、温泉街でそば屋を探す午後、休日のショッピングモールで車を見失った夕方。気づけば暮らしの細かい場面を、片っ端から拾いにきている。出張で降りた駅。改札を...
記事全文を読む→池上彰 そうだったのか「10年後ニッポン」(前)(4)
実は資源大国のニッポン
f─何だか明るい気分になってきました。
ハハハ、もっと明るくなる話があるんですよ。これまで、日本は資源がない、エネルギーがないとさんざん言われてきたでしょ。ところが、今後日本はエネルギー大国になる可能性が非常に出てきたんです。
─それは本当ですか!
はい、1つはメタンハイドレートといって天然ガスが氷やシャーベットのような状態で海底にあるというものです。これが北陸の先の日本海、知多半島、紀伊半島の南に大量にあることがわかってきています。すでに試験的にその取り出しも始まっています。これが軌道に乗りますとね、日本は天然ガスが相当取れるようになってくる。しかも、これは日本の領海、あるいは排他的経済水域のうんと中にあるんですね。
─さすがの中国も口出しできない。
そのとおり。さらにアメリカではシェールガスという天然ガスが大量に取れるようになって、21世紀中のエネルギー需要は賄えると言われていますが、日本でもシェールオイルという石油が秋田あたりの日本海側の海底で見つかって、埋蔵量は500万バレルとも言われています。
─お宝の地図が発見されたようなもの。
そう、これまであることはわかっていたけれども、取り出すことが難しいと思われていた。それが技術が進んで取り出せるようになったんですよ。さらに言うと、太平洋の日本の排他的経済水域の中で、220年分と言われる大量のレアアースも見つかっています。もう中国からの輸入に頼らなくても大丈夫になりそう。意外や意外、日本はエネルギー大国だったんですよ。
─今こそ、日本の優れた掘削技術の出番ですね。
ええ、これは相当に明るいニュースでしょ。ただし、これらは化石燃料で、二酸化炭素が出ます。エコを考えるとこれからは、太陽光発電、風力発電、さらに言えば、地熱発電の時代になります。日本は火山国ですから、そこらじゅうに地熱はあるわけです。地熱のエネルギーを全部うまく使えれば、原子力発電所20基分あると言われています。
─2030年に原発依存率を何%に抑えるか議論してますね。
これまで、日本では全ての技術開発が原子力発電に注がれてきたんですね。逆に言うと、電力会社の本音で言えば、そっちができるようであれば原発はいらないよねという話になっちゃうんでしょ。それは困るから意図的にやってこなかったということがあるんですよ。原発事故以降、今度は再生可能エネルギーの研究にお金をつぎ込んでいくことになります。
─やはり、これからは脱原発の方向に進むわけですね。
そうすると、これから数年で再生可能エネルギーの技術が劇的に進んでいくことが期待できます。例えば太陽光発電の発電効率をより高めていくとか。特に地熱発電が劇的に普及していくでしょうね。世界中の地熱発電に使われているタービンのシェアの70%が日本の企業の技術なんです。海外の地熱発電所に行くとタービンは日本のものばかりなんですね。これまでは国内で進まないから海外で事業展開していたわけです。これを生かさない手はないでしょう。
─確かにそれはもったいない!
と考えていきますと、エネルギー事業でも10年後は今とはまったく違った世界が開けてくるんですね。
─次回は、政治や医療問題についても教えてください。
できるかぎりやってみましょう。
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