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記事全文を読む→池上彰「アベノミクス“成長戦略”の盲点」(3)東北地方復興の足を引っ張る公共事業
──お金が下流の庶民まで流れて来るのはいつ?
はい、今のところ流れて来ていません。その流れて来るまでのつなぎに財政投資という形で公共投資をしているわけです。昨年末の補正予算と今年度の当初予算を合わせて公共事業費は10兆円です。
──ハンパじゃない額ですね。
ですから、今は全国でいろんな公共事業が再開されているわけです。小泉政権時代に自動車が通らないところに高速道路を造ってもムダだと止めた。その後、民主党政権でも「コンクリートより人へ」ということで公共事業を止めていた。その止まっていたものが今、全部動きだしたわけです。ですから、今、全国で建設作業員が足りなくて、給料もどんどん上がっている。その結果、東北地方の復興が遅れ始めている。
──そうだったんですね。
それまで、全国で景気が悪くて東北だけ復興事業があるものですから、全国から建設作業員が出稼ぎに来ていました。そもそも出稼ぎだったわけですから、今度は自分の故郷で仕事ができれば、呼び戻されるわけです。これが思わぬアベノミクスの副作用というわけです。さらに言うと、こうして公共事業が増えているということは財政赤字が増え続けているということでもあるわけです。
──仕事・求人を生み出すことで借金は減りますか?
理屈としては、公共事業で借金を増やしているけど、これで景気がよくなれば、企業は法人税をたくさん納め、庶民も所得税を納められる。そうなれば税収が増え、借金の返済に回せるという筋書きなんです。
──本当に借金返済に回りますか? ちゃんと見張っていないと採算の取れない借金の塊を作りそうです。
そういうことです。一方で、デフレには脱却の兆しが出ている。6月の消費者物価指数は前年同月比のプラス0.4%だったんですね。プラスになるのは14カ月ぶりのこと、つまりそれまでは、毎月物価は下がり続けていたということです。
──まさにヒタヒタと物価高が押し寄せている。電気料金もガソリン代も続々値上がりしています。
はい、東電管区ではあくまで柏崎刈羽原子力発電所が稼働することを前提にした値上げ幅ですから、再稼働しないことになったらもっと激しく電気料金が上がります。さらに言えば、円安で天然ガスも重油もどんどん上がってるわけですので、今後電気料金はまだまだ上がるということです。
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