芸能
Posted on 2012年10月25日 11:00

島田紳助「タレントキャスター」の功罪

2012年10月25日 11:00

 一方、日本最初の独立系制作会社のテレビマンユニオンで番組制作に携わったあと、大学でメディア論を講じてきた、碓井広義・上智大学教授の見方はかなり辛辣だ。

「紳助さんのあの引退会見で覚えているのは、引退の花道に臨んだ際の大芝居ぶりですね。言い分としては、本来は謹慎で済むものを、あえて引退の道を選んだと語った。そして、それを『美学』という言葉で表現した。後輩に身をもって示すのだと。ところが、仮に芸能界に居続けても、イメージダウンの逆風が渦巻くのは当の本人がいちばんよくわかっている。だから、散り際のイメージ作りを切腹の介錯になぞらえる形で演出したということでしょう。だが、はたして、そんなきれい事なんでしょうか‥‥」

 今となっては美談仕立てで語られる引退会見にもまた、大物芸人ならではの「周到な計算と打算」がかいま見えたと言うのだ。

「実際、紳助さんがいなくなって(テレビ局は)どうでしょう。申し訳ないけど、特に変わったこともない。つまり、番組の中身自体がしっかりしていれば、視聴者は見続けるということです。引退の前後には、いなくなったら大変という空気がありましたが、実は、紳助さんがそういうイメージ作りをするのが巧みだっただけで、また、周りもそのほうが楽だったんでしょう。テレビというものは皆で作るもので、最初は看板としてのタレント性が必要でも、ある力学で番組が動き始めると、際立ったタレントはむしろ害にすらなりかねないんです」

 また、紳助の成功によって一般化した「タレントキャスターの功罪」についても手厳しい。

「社会に対する関心を視聴者に植え付ける呼び水となったという意味では、ニュース・報道番組の垣根を下げたと言えるでしょう。その一方で、本来はプロフェッショナルが行うべきテレビジャーナリズムの価値も下げてしまったのではないでしょうか。紳助さん以後、キャスターの『役』を演じる人が前面に出るようになり、『キャスター』の信頼度が揺らいできた」

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    エンタメ
    2026年03月22日 09:00

    バルミューダが5万9400円の、針のない置き時計「The Clock」を発表した。LED光点で時刻を表現するこの製品には厳しい指摘が相次ぐ。「実用性ゼロ」「またデザイン重視」というものだ。ブランドのイメージは固定化し、信頼が揺らいでいる。「...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年08月31日 07:00

    「もう日本では稼げない」そんな空気が今まさに、ベトナム人の間で広がり始めている。ベトナム政府は9月10日から、海外で不法滞在を続ける自国民への罰則を強化する。8000万~1億ドン、日本円で約48万~60万円という高額な罰金が科される可能性が...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    芸能
    2026年08月29日 07:00

    ダブル不倫スキャンダルで一躍、その名を浸透させた元宝塚女優・花乃まりあに、さらなる荒波が襲いかかっている。8月まで上演されたミュージカル「愛の不時着」でダブル主演した三山凌輝との「不適切な関係」報道からおよそ1カ月が経過したが、花乃を取り巻...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/1発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク