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内閣総理大臣
政治
歴代総理の胆力「村山富市」(2)米紙「ミイラ政権」と酷評
一方、安定政権ではあったが、身の丈に合わなかったことも多々あった。その最たるものが、未曽有の阪神・淡路大震災、オウム事件に直面したが、危機管理という点ではほぼ無力であった。総理になるまで官邸にほとんど顔を出したことはなく、当然、官邸の情報収…
政治
歴代総理の胆力「村山富市」(1)「天の時、地の利、人の和」の3条件
人柄誠実で聞こえた村山富市は、総理大臣就任が決まった瞬間、周囲に「困った、困った」と口にしていたが、やがて次のようにハラをくくった。「東西冷戦が終焉し、55年体制が崩壊するなど内外情勢が激変する中で、自民党も社会党も変革する必要がある。そう…
政治
歴代総理の胆力「羽田孜」(2)田中角栄いわく「ワシが育てる」
羽田は「二世議員」ながら、当初は政治の世界に入る気はなかった。成城大学を卒業後「小田急バス」に入り、本社の観光課係長などを経て、企画調査室課長で退職した。この間の10年のサラリーマン生活で、羽田が企画した文学ゆかりの地を巡る観光バスによる「…
政治
歴代総理の胆力「羽田孜」(1)64日間の短命政権
「あんた、総理になるのもいいが“短命”で終わるぞ。それでもいいのか」自民党を結党以来初めて野党に突き落とし、日本新党の細川護熙を総理大臣に戴いた共産党を除く野党8党派による非自民連立政権。だが、1年足らずで細川がスキャンダルによって失脚、そ…
政治
歴代総理の胆力「細川護熙」(2)「連立」時代への出発政権
そうしたいささか緊張感に欠けた細川政権ではあったが、細川自身の言葉は常になめらかであった。日本新党結党の際には、「回転ドアはいつでも回している。志ある者は誰でも、いつでも入ってきて欲しい」などと、二世議員が大挙していたそれまでの政治の閉鎖性…
政治
歴代総理の胆力「細川護熙」(1)「気まぐれな殿様」の異名
自民党を離脱、新生党の代表幹事として野党に転じていた小沢一郎の大仕掛けにより成立したのが、この細川護熙政権であった。政権発足直後の内閣支持率は、じつに83%(『読売新聞』)と異例の高さで、期待の大きさが顕著であった。小沢は自らの新生党に、公…
政治
歴代総理の胆力「宮澤喜一」(2)擬せられる15代将軍徳川慶喜
その宮澤が総理に座ったのは、じつに72歳になってであった。中曽根康弘の「裁定」で選ばれた竹下登政権がリクルート事件で躓き、しかし影響力温存を窺う竹下は自分のあとの政権に、宇野宗佑、海部俊樹を担いだ。その海部政権後を巡って、竹下派に主導権争い…
政治
歴代総理の胆力「宮澤喜一」(1)福田赳夫と双璧の秀才
東大法学部卒の“巣窟”にして、並み居る省庁の中でも「エリート中のエリート官庁」とされているのが財務省(旧・大蔵省)だが、「省史」を紐解いてみると、その中でも、さらに飛び抜けての秀才が、二人浮上してくる。ともにのちに総理となる福田赳夫と、この…
政治
歴代総理の胆力「海部俊樹」(2)ぶれる「軸足」、大きな「振幅」
政権を降りたあとの海部の政治行動の「振幅」は、それにしてもあまりに大きかった。例えば、海部が政権を降りたあと、自民党は、社会、新党さきがけの両党を抱き込み、当時の社会党委員長・村山富市を首班候補に担ぐという“奇策”に出た際、あれだけいいよう…
政治
歴代総理の胆力「海部俊樹」(1)海部政権は、初めから危惧されていた
海部俊樹の“売り”は、一にも二にもその雄弁ぶりにあった。愛知県の旧制東海中学時代から県下の弁論大会に出れば優勝で、卒業後は弁護士を目指して中央大学専門部の法科に入るとともに、弁論部(「辞達学会(じたつがっかい)」と呼ぶ)にも入った。ここでも…
政治
歴代総理の胆力「宇野宗佑」(2)「文人政治家」としての高評価
宇野は総理としては失態で幕を降ろしたが、一方で、「文人政治家」としては政界では聞こえていた。シベリア抑留当時の体験を書いた「ダモイ・トウキョウ」ほか、「中山道守山宿」といった十指に余る著作もある“作家”の一方、自作句集がある“俳人”でもあっ…
政治
歴代総理の胆力「宇野宗佑」(1)“逆風3点セット”とスキャンダルで惨敗
「降って湧いた」という表現があるが、この宇野宗佑ほど降って湧いた形で総理大臣の座を射止めた人物はいない。昭和64(1989)年は1月7日に昭和天皇の崩御があり、その年はたった1週間で元号を「平成」と改めた。時の総理の竹下登がリクルート事件に…
政治
歴代総理の胆力「竹下登」(4)「退」で躓いてしまった慎重居士
そうした竹下は、政権を取ると、「落とし所に落とす」形で、狙い通り消費税導入を成功させた。一方で、外交は前任の中曽根康弘の方向性を踏襲、対米、対中関係とも、手堅さでこれをこなした。しかし、内政は、消費税導入のインパクトが大きかっただけに、「ふ…
政治
歴代総理の胆力「竹下登」(3)「政界のおしん」の異名
“苦節23年”ついに政権に就いた竹下登の政治手法は、強引さとはまったく無縁の辛抱に辛抱、周囲を説得に次ぐ説得で、ついには「落とす所に落とす」というものだった。「政界のおしん」「調整名人」との異名があったゆえんである。それを実証してみせたのは…