社会

エコノミスト・門倉貴史「オヤジの裏テク錬金手帳」~アウトドア派のワイルドオヤジは元手ゼロの「流木拾い」で稼げ!~

20150409cc

 海・山・川といった自然をこよなく愛し、休日には必ずマリンスポーツやキャンプ、バーベキューなどに出かける──今回は、そんなアウトドア派でワイルドなオヤジに耳寄りなサイドビジネスを紹介しよう。

 それは「流木拾い」だ。

 海岸や川原のあちらこちらに散らばっているスギやユス、ヒノキ、ハゼ、サクラなどの流木。気に留めなければ、これらの流木は、ただの漂着ゴミにしか見えないだろう。しかし意外なことに、近年、こうした何の変哲もない天然の流木が大人気となっているのだ。

 流木にいったいどんな用途があるのか。

 ひとつは、インテリアやガーデニングなどに活用するというもの。10年ぐらい前から、流木特有の枯れた風合いやフォルムのユニークさに惹かれて、室内や庭にオブジェとして飾りたいと希望する人が増えるようになった。流木を使った家具やオブジェを販売する専門店・工房も全国各地に相次いでオープンしている。

 購入する人の大半は、20~30代の女性だ。流木はひとつとして同じものがない「一点」もので個性があり、女性にとっては、それを置いて眺めるだけでも癒やしの効果があるらしい。

 流木のもうひとつの用途は、熱帯魚の水槽の展示用に活用するというもの。こちらは、20センチ前後の小さい流木が中心になる。ただ小さいというだけではダメで、買い取ってもらいやすいのは、水に入れると沈んでいくタイプの流木。流木全体の5%ぐらいしか見つからず、希少価値がある。

 ここまで読めば「拾ってきたものが、お金になるなんてまるで夢のような話ではないか!」「タダのゴミにしか見えなかった流木が突然、宝の山に見えてきた!」と思うことだろう。

 いくらワイルドでもオヤジたるもの朝は苦手なもの。やってみたいと考えたら、まずは、早朝に自宅近くの海岸や川原を散策したり、ジョギングしたりする習慣を身につけるところから始めよう。毎日、観察すれば潮や水の流れでどのあたりに流木が漂着しやすいか、おおよその見当がつくようになる。その場所を見つけたら、価値のありそうな流木を選び出す。“狩り”の要素を含んでいるのがこの副業の魅力なのだ。

 大型で色が白っぽい流木は、家具やオブジェの専門店・工房に。一方、小さめのサイズの流木は、近所のペットショップや熱帯魚専門ショップにせっせと持ち込むのがよい。

 ただし、お店の主人とは初対面の人間が、突如たくさんの流木を抱えてショップに持ち込んでも、買い取ってもらうのはなかなか難しい。場合によっては、変人と思われ、警戒されてしまうおそれもある。ある程度経験を積んで、店の主人となじみになってからのほうがいいだろう。「流木拾い」の初心者は、拾った流木を一度、自宅に持ち帰って、ネットオークションに出品するという手っとり早いやり方もある。

 では、どれぐらいの稼ぎになるのか。

 熱帯魚(淡水)の水槽の展示用の場合、流木をグツグツ煮て塩分やアクを抜く「アク抜き」などをきちんとすれば、1本につき2000~5000円ぐらいで専門業者に買い取ってもらえる。ネットオークションでは、もう少し高い値段で売れる場合もある。1カ月で平均すると3万~6万円ぐらいの稼ぎになる。元手がゼロで月6万円の収入になるのだから、かなりおいしい副業と言えるだろう。

◆プロフィール 門倉貴史(かどくら・たかし) 71年生まれ。95年慶應大学経済学部卒業後、銀行系シンクタンク入社以来、エコノミスト畑を歩む。現在、BRICs経済研究所代表。専門は先進・新興国経済、地下経済、労働経済学、行動経済学と多岐にわたる。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
JR東日本に続いて西と四国も!「列車内映像」使用NG拡大で「バスVS鉄道旅」番組はもう作れなくなる
2
大谷翔平が「嘘つき」と断言した元通訳・水原一平の潜伏先は「ギャンブル中毒の矯正施設」か
3
【ボクシング】井上尚弥「3階級4団体統一は可能なのか」に畑山隆則の見解は「ヤバイんじゃないか」
4
リストラされる過去の遺物「芸能レポーター」井上公造が「じゅん散歩」に映り込んだのは本当に偶然なのか
5
舟木一夫「2年待ってくれと息子と約束した」/テリー伊藤対談(3)