社会

秋津壽男“どっち?”の健康学「五月病とうつ病の違いはあるのか?セロトニンの分泌がストレスを抑える」

 5月になると話題になるのが「五月病」です。新年度を迎えて進学や転勤、転職をした人が新たな環境に適応できないままゴールデンウイークを経て体調の異変を訴えるのが五月病の症状ですが、ここで質問です。五月病とうつ病では症状は同じでしょうか。それとも違う症状でしょうか?

 もともと、五月病は医学的な病名ではありません。定義するなら「五月前後によく見られる、環境変化によるストレス性反応」と言えます。医学的には「うつ病」というよりも「うつ病の一歩手前」の状態を指します。「適応障害」という診断が正しいのです。五月病の症状としては、食欲不振、めまい、動悸、睡眠障害などがあげられる他、気分が上がらず、憂うつになったり、イライラしたりすることも多くなります。これが悪化すると、「うつ病」になってしまうのです。

 かつて、五月病は大学生に多く見られる症状でした。憧れの大学に進学し、新入生として先輩からチヤホヤされ、新たな環境を迎えてルンルン気分でいたものが五月になってチヤホヤがなくなり、気分が落ち込むからです。

 しかし、最近の五月病は社会人にも多く見られます。4月に新年度が始まると仕事を頑張りすぎて、5月になって息切れを起こす場合や、転職や転属先で結果を出せなかったり、新たな人間関係を築けずに落ち込んだりすれば、中高年でもかかる病です。

 前年度の職場での営業成績がよく、あれもこれもできるはずだと信じていた人が、新たな環境で実際に働いてみると「何の役にも立っていない」と気づくのが今の時期です。それでも必死で働いているうちにいつしか環境になじみ自然と治るのも五月病の特徴です。

 ですが、その一方で五月病で会社を辞める人も増えています。理想と現実の違いに戸惑ってしまうことが要因とも言えます。特に「理想が高い人」「内向的な人」「完璧主義者」「我慢強い人」などです。「俺が会社を変えてやる」と意気込んでいたのに、いざ働いてみると企画書一枚まともに書けない。こうした人がうつ状態になるのです。

 5月を迎えて気分が落ち込んだ場合、必要なのは気分転換です。ここでアルコールに依存するのだけは避けるべきでしょう。他にもジョギングや水泳など有酸素運動で汗を流すのもおすすめです。気分転換になるだけではなく、運動により神経伝達物質のセロトニンの働きが脳内で活発になるので、ストレスやイライラを抑え、気分転換となります。

 食事にも気をつけたいものです。セロトニンは肉、納豆、乳製品にも多く含まれます。他にも、ビタミンCは「抗ストレスビタミン」とも呼ばれ、キャベツ、トマト、グレープフルーツに多く含まれているので、積極的に食べるようにするといいでしょう。

 加えて、日光を浴びることによってセロトニンは活発に分泌され、眠気を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑えます。しかも、16時間後の寝る頃にメラトニンが分泌されるようになることで、しっかりと夜に睡眠をとれるようになるのです。こうした習慣を日常生活に取り込めば、睡眠不足も解消できるでしょう。

 5月病で大事なのは「己を知ること」です。自分のできることを知り、できないことは「しかたがない」と割り切るのが肝心です。100点満点の仕事など、多くの人はできません。自分一人でできる仕事には限界があります。上手に人間関係を築くのが重要なのです。

 人生は、ある意味でいいかげんさも必要です。「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ~」と演じた植木等さんのような世渡り上手を目指してください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    【緊急座談会】中年世代にど真ん中の夏カジュアルはあるのか!?

    Sponsored
    182685

    40代ともなると違和感を感じ始めるのが、休日のカジュアルファッションだ。体型が変わったり、若い頃に着ていた服が似合わなくなったり「何を着たらいいか分からなくなる」のがこの世代の特徴。昔ほどお金をかけるわけにもいかず、とりあえず安価なユニクロ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , |

    クラファン発!最先端サプリ「スパルトT5」の実力と評判とは?

    Sponsored
    182842

    コロナ禍は、生活様式も働き方も大きく変えた。「仕事帰りにちょっと一杯」も難しくなった今、ビジネスの最前線で活躍する現役世代を蝕む過大なストレスが問題となっている。そんな精神的負担も原因なのか、これまで高齢男性に多かった“夜の悩み”を訴える3…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , |

    出会いのカタチもニューノーマルに!「本気で結婚したい」男がやるべきこと

    Sponsored
    168750

    「結婚はしたいけど、もう少し先でいいかな……」「自然な出会いを待っている……」と思いながらも、「実は独りが寂しい……」と感じてはいないだろうか。当然だ。だって男は弱いし、寂しがりだから。先の“言い訳”じみた考えも、寂しさの裏返しのようなもの…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
山本舞香、鈴木福くんの前で見せた“バスト渓谷見せ”過激衣装の賛否!
2
フジ渡邊渚、「Gカップを机の上に乗せた」ド迫力映像にファン悶絶!
3
浜辺美波、「バスト突起」騒動にフォロワーは「歓喜」より「心配」のワケ
4
阿部華也子、初ドラマの“女教師役”で注目は「Dバスト」より「桃型ヒップ」!?
5
深田恭子⇒比嘉愛未だけじゃない!「歴史的ピンチヒッター女優」驚愕の顔ぶれ