事件

紳助VS絶縁タレント 仁義なき「切り込み構想史」(1)

芸能界に多大な影響力を行使し続けた紳助親分の引退は、まだまだ波紋を広げるばかりだ。次から次へと噴出した暴力ざたは氷山の一角。これまでの芸能活動、そして引退以後の置き土産すらも余罪だらけだったのである。

 37年間にわたる島田紳助(55)の芸能生活には、引退を待たずして、「アウト!」と絶縁を突きつけるタレントたちが大勢いた。武勲で名をあげる抗争ならまだしも、めったやたらに仕掛けた紳助親分の斬り込みは、どれも後味の悪さだけを残したのである。

 紳助が攻撃の手を緩めないのは、相手が自分より圧倒的に弱者であることが多かった。引退直前にもこんなことがあった。
「8月1日放送の『クイズ!紳助くん』(朝日放送)に今夏の高校野球応援ソングを歌う、女子高生シンガー・川上ジュリア(17)が出演した。放送では無難に編集されていたようですが、収録現場がひどかったんです。何が気に食わなかったのか、露骨に彼女だけ無視するような雰囲気で厳しっかったといいます。現場にいた関係者も『相手は高校生なんだから』とあきれていました」(番組関係者)
 自身の番組に登場した女性タレントをいじめるのは、紳助の真骨頂だ。十数年前には、トーク番組に登場した女性ゲストたちが頻繁にターゲットとなった。
 人気絶頂期の細川ふみえ(40)が「新伍・紳助のあぶない話」(フジテレビ系)に出演した際も、紳助から血祭りに上げられた。「番組スタッフが事前に、細川の母親から了承を得て彼女が昔つけていた日記帳を借りてきていた。それを収録中に紳助が読もうとしたんです。すると細川は読まれたら恥ずかしいという思いからパニックになって、『訴えますよ!』と口にした。その瞬間、紳助が『お前、頭悪いな。こんなもんが恥ずかしいって、チチ半分出して商売してるほうがよっぽど恥ずかしいわ、ドアホ!』と激昂したんです。『お父さんが自衛隊? 攻めてこんかい!』とまで言って罵倒した。もちろんオンエアでは流れていません」(ベテラン芸能記者)
「CLUB紳助」( テレビ朝日系)で原田知世(43)に罵詈雑言を浴びせた時も激しかった。
「本番前に紳助さんは彼女に関する資料を読み込んでいた。ところが収録直前になって、原田さんのマネジャーからほとんどの内容に関してNGを出され、OKが出た内容はほぼ出演する映画の宣伝という状況となってしまったんです。いざ本番が始まっても紳助さんはイライラ。終始、ギクシャクしたトークとなり、最終的に『もうアンタとは仕事せん』と言い放つなど、原田さんをとことん追い詰め、涙を流させてしまったんです」(番組関係者)
 同番組では、紺野美沙子(51)にも、チンピラ同然に因縁をつけて罵倒した。
「紳助が収録に1時間遅刻したんです。ところが待たされた紺野は一切、文句も言わなかった。紳助にはそれが鼻についたようで、収録中、『優等生のあなたは同じような役しかできない』と口撃して、泣かせたんです。紳助はのちに、元不良は悪さをしたら叱ってほしいもの、という理解しがたい言い分を話していた」(前出・ベテラン芸能記者)

キレたら収録中でも帰った
そして、もめたあとは紳助一家からの「除名」、すなわち息のかかった番組から干すという、許しがたい仕打ちに出るのだ。
 たとえ吉本興業所属の後輩だろうが容赦はない。
 森三中の大島美幸(31)も今から3~4年前、「今夜はシャンパリーノ」(日本テレビ系)という番組の収録中に恫喝された。同番組は出演者の一人が専門知識を勉強したうえで他の出演者に講義するという内容。当日は大島が社会問題についてレクチャーしたという。「紳助さんには大島さんが不勉強に見えたようです。スタジオでは観客も見ているのに、かまうことなく突如、大島をどなり散らした。そして『こんなの放送できん』と収録をキャンセルして、途中で帰ってしまいました。その収録回はお蔵入りです」(日テレ関係者)
 紳助親分のご乱心はいつ起こるとも知れない。他の事務所に所属する芸人なら、なおのこと共演を敬遠したがるだろう。 バラエティ番組に出入りする放送作家が言う。「紳助さんが出演する番組の企画会議で、共演させたい芸人の名前をあげていくと、おぎやはぎについては『あれはダメだから』とその場でストップがかかる。紳助さんに締め上げられた東京03と同じ事務所で仲がいいというのもあるのでしょう。おぎやはぎのほうも、紳助さんの番組に出るべきか、とんねるずに相談したといいます。すると、『出なくてもいい。こっちで面倒見る』と言われ、この2組の関係が強固になった」
 ところで紳助は、大物たちとの確執も絶えず、例えばタモリ(66)とは、冷戦に近い状態だった。
「09年に紳助が『笑っていいとも!』(フジ系)に出演した際、紳助が『ふけましたねー』『いつまで働くんですか?』『誰かに譲ったらどうですか?』と毒舌を全開にし、タモリは『本番で言う話じゃない』とかわした。翌年、同局の『26時間テレビ』で共演すると、子飼いタレントたちの長距離マラソン駅伝企画について紳助が『タモさん、マラソン、感動するでしょう?』と振ったが、タモリは『見てない』と一笑に付したんです」(スポーツ紙芸能担当記者)
 有名なところでは、桂文珍(62)との間にもわだかまりがあった。「今から30年以上前、駆け出し時代の紳助が頭を下げて挨拶したのに、文珍が無視したことが発端だと言われている。その後、紳助が『文珍は大阪だけのローカルスター』と言えば、文珍も『紳助は要領よく金を稼いでいるだけ』と、お互い陰口を叩き続けている」(前出・ベテラン芸能記者)
 また、前々号でも触れた明石家さんま(56)とのイビツな「親友関係」にはまだエピソードがあった。
「さんまが業界人との会食に、紳助の元相方・竜助を連れてきたことがあったそうです。当時、生活で苦労していた竜助を気遣いつつ、さんまは『ほんまはアイツが面倒見てやらんとあかんのに』とこぼしていた」(テレビ関係者)
 2人を比較して、民放局のディレクターが言う。「あるベテラン俳優が『さんまは好きだけど、紳助は物凄く嫌いだ』と言っていた。紳助さんは、誰が挨拶しても『おう』って片手であしらうような態度を取るからだそうです」
 さらに紳助は、番組で共演していた先輩の故・山城新伍さん(享年70)にも絶縁されかけていた。
「13年ほど前、山城さんが飲んでいた銀座のクラブに偶然、紳助さんが入ってきたんです。酔っていた山城さんが近くの席に座った紳助さんに『おい、こっち来い!』と何度も声をかけていた。それに嫌気がさした紳助さんが、山城さんの奥さん(結婚離婚を繰り返し当時2度目の結婚生活中。のちに離婚)について茶化す発言をし、『おい、紳助、言っていいことと悪いことがあるぞ!』と激怒させたんです」(飲食店関係者)

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