社会
Posted on 2019年01月15日 05:55

「突然死から関節痛まで」真冬にはびこる病魔を一掃する!(2)真冬の温度差を甘く見るな

2019年01月15日 05:55

 では、どうすればヒートショックや血圧サージを予防することができるのか。

 まずはヒートショック。この現象は、要するに外気温の温度差が一番の原因となるのだから、できるだけその差を埋めればいいのだ。

 それを踏まえて、アキラッチョ医師の見解や厚生労働省、消費者庁、国立循環器病研究センターが発表した調査報告書などを参照し、「ヒートショックを防ぐ5つの注意」を挙げていくことにしよう。

脱衣所を温める

 脱衣所をファンヒーターなどの暖房器具で温めれば、裸になった際の急激な温度変化がなくなり、血圧変動のリスクが軽減する。10度以上の温度変化が起こらないことを目安として、脱衣所の室温調整を心がけよう。

浴室を温める

 浴槽にお湯を張ったあと、湯船の蓋を開けて浴室全体を温かくする。脱衣所や浴室の室温が下がりきっていない比較的早い時間に、熱めのシャワーを浴室の壁や床にかけておいても効果的だ。

高齢者は一番風呂を避ける

 二番風呂以降であれば、浴室内がしっかりと温められ、お湯の温度も若干下がるため、入浴した際の急激な温度変化が緩和される。

夕食前に入浴する

 食事をすると、自律神経の反応で血圧が下がりやすくなるので、ヒートショックを予防するには夕食前の入浴を意識しよう。さらに加えれば、アルコールが抜けていない状態はもちろんのこと、精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴も控えたほうがよい。

 入浴前後にコップ一杯の水分を補給することは予防に効果あり。

ぬるめのお湯でゆっくり入る

 41度以下のぬるめのお湯にゆっくりとつかって体を温める。湯につかる時間は10分までを目安にするといい。

 熱いお湯で急激に体が温まると、血管が拡張して一気に血圧が下がってしまうため、お湯につかったまま気を失ってしまう可能性もあるので注意。また、浴槽から急に立ち上がらないように気をつけること。

 余裕があるなら、浴室に内窓を設置したり、断熱性の高いガラスや断熱シート・フィルムを用意するのもいいかもしれない。

 続いては、血圧サージの攻略法だ。

 血圧サージが起こるタイミングは千差万別だが、特に気をつけたいのが、いわゆる「モーニングサージ」と呼ばれる症状。これは、健康診断などでは通常の数値が出ていても、朝方だけ血圧が高くなる状況を指す。

 通常数値なら単なる生理現象だが、著しい変化を伴うと、高い心血管リスクを負うことになる。風呂場などといった場所を問わない危険であり、特に高齢者や血糖値、コレステロール値が高い人は、その傾向が強くなる。

 ヒートショック同様に、この症状の発生率は冬の朝の寒暖差に大きく左右される。そこに気をつければ、予防は十分に可能なのだ。

 まず「自宅前だから」と、朝起きていきなり薄着のまま外へゴミ出しをしたり、ポストに新聞を取りに行くなどという行為は避けること。厚着をして、体をしっかり保温する。車に乗る時も同様で、まずしっかり車内を温めることを心がけよう。

 また、布団や暖かい部屋を出る前には、手足をバタバタ動かしたり、足踏みなど軽い運動をするのも有効となる。

 高血圧であることを自覚している人は、さらなる注意が必要だ。洗顔や歯磨きはぬるま湯で行い、朝風呂をする場合はヒートショック同様に部屋の温度差に気をつけること。日頃から血圧を計測し、自身の正常数値を把握しておけば、なおベターだ。

 温度だけでなく、ストレスも高血圧の天敵だ。食事をとったあと、お茶をゆっくり飲んでから外に出るなど、意識してリラックスの機会を作ってみてはいかがだろうか。

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