事件

日揮作業員が悲痛激白(3)「死の恐怖が支配を生み出す」

 犯行グループは斬首も辞さない過激組織のようだが、人質たちを心理的に追い込む悪魔の装置まで用意周到に準備していた。

「爆弾ベルト」や「爆弾ネックレス」を人質に装着させ、「誰かが逃げれば、全員の首が飛ぶ」と脅していたと報じられている。前出の軍事関係者が語る。

「逃げたら爆発するというのは、すでに01年の『9・11事件』以前から利用されていた無線リモコン技術を使えば可能な装置です。現在、アフガンやイラクなどで主流となっているテロ攻撃は『車爆弾』で、道路に停車した車に爆薬を仕掛け、政府関係車両が近づいたら爆発させるというもの。その起爆装置には携帯電話を使っている。今は携帯1台あれば、世界のどこにいてもテロリストが爆発を起こすことが可能なんです」

 例えば、日本の新幹線内に爆発物の入ったリュックサックさえ持ち込めば、アクシデントがないかぎり、目当ての駅に到着する時刻は計算できるから、他国にいながら電話をかけるだけで目的が遂行できてしまうというのである。

 平和がベースとなっている我々の日常生活からは想像も及ばない世界だ。

「日本で爆薬を入手するのは難しいですが、中東あたりでは、子供があめ玉を買うぐらい簡単なことなんです」(前出・軍事関係者)

 人質の体に爆弾を巻きつけての監視。あるまじきことに、恐怖で人質を支配し、反乱を抑制するのに効果的なのだという。

 テロリストが人質をコントロールしたり、情報を入手するために脅したりする手口は昔からさまざまにあった。

「古典的なのは、回転式拳銃、リボルバーの5~6発入る弾倉に1~2発だけ弾を入れて『何か言いたいことあるか?』と人質に向ける。黙ってたら引き金を引いてしまう。いわゆる『ロシアン・ルーレット』です。恐怖でしゃべりだすし、たとえ実際に発射されて死亡しても、人質が複数いれば残った人間へのプレッシャーは半端ではない。目の前で殺すということが支配を生むんです」(前出・軍事関係者)

 情報というのは元来、信頼関係によって得ることができるものだが、テロ現場においては、死の恐怖によって短時間で引き出すことが可能なのだという‥‥。

 先の村上氏が、イスラム武装勢力の脅し手口について解説する。

「最初の段階で人質の一部を殺して、犯行が本気であることを見せるのは、ここ10年に見られる傾向でしょう。ただし全部を殺してしまえば交渉のカードがなくなるので、それ以上はしません。実は過去にも、マグレブ諸国のアルカイダ組織の武装勢力が起こした事件で、一部政府サイドが要求に応じたケースがあったんです。だから彼らは、今回も交渉の余地があると思っていたのでしょう。アルカイダ系の組織にはマニュアルがあって、要求さえ飲んでもらえればそれ以上、人質に危害を加えないというルールは守ります」

 一方で今回のアルジェリア政府の対応は、欧米での大原則「テロリストと交渉せず」を順守したものだというが‥‥。

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