芸能

阿藤快「名優・名監督が鍛えた“犯人専門”の怪演技」

 最近では旅番組・グルメ番組のレポーターとしておなじみの阿藤快(66)。しかし役者を始めてしばらくは、多くのテレビドラマで犯人役を演じていた。そこには“時代”ならではの名優・名監督たちと築き上げた熱い「絆」があった。

 最初の頃はずっと犯人役でしたよ。犯人やるコツなんてのはないんだけど(笑)、色っぽくないとダメだなってのはあったね。いろいろ演じてるうちに凶悪なだけじゃない「人間臭さ」みたいなのを演じれるようになっていったかな。いちばん殺したのは「Gメン」シリーズだったね。前後編で9人殺す脱獄犯。でも、その男なりの純愛を通すヤツだったりしてね。

 殺人犯の役とはいえ、ドラマで見せるのは凶悪な“顔”だけではない。犯行に至るまでの事情や背景を魅せる力がなければならない。中でも印象に残った犯人役は市川崑監督の映画「幸福」だという。

 無差別殺人犯の役だったんですけど、オレの顔は全然映らないんです(笑)。ずっと野球帽かぶってるし、後ろ姿ばっかりだし。ただ最後のシーンだけ顔が見えるんですけど、そこで監督が、「お前は仏教徒か、キリスト教徒か」って聞いてくるから、「どちらかというと仏教徒です」って答えたんです。そしたら「キリスト教徒が祭壇にひざまずくようなポーズで、子供みたいにエーンエーンと泣いて」って指示するんです。それまですごく怖いことやってきてて、最後がそれ。「市川監督すごいな!」って思いましたね。そんなすごい監督や役者たちとの出会いが自分の演技の幅を広げていったと思いますね。

 出身は名門・劇団俳優座。だが、芝居と出会うきっかけは新聞で見た「エキストラ募集」だったという。

 69年に蜷川幸雄さん(77)が舞台出演者を募集してたんで応募したんですよ。役者への興味ってより「おもしろそうだな」ってだけですね。でもそこで知り合った俳優座の人に「今度募集するからお前来いよ」と、声をかけられたんです。最初は舞台の仕事だったんですけど、1年半くらいやってみてあんまりおもしろくなくって(笑)。ただ最後に中村敦夫さん(73)に「役者やらないか」って言われて、最後だからと思ってやってみたら、これが難しくて!それが「もっと表現してみたいな」って自分のやる気に火をつけたんですよ。

 中村敦夫、仲代達矢(80)、市原悦子(77)など、スターぞろいだった当時の俳優座。その中でも阿藤と堅い絆で結ばれていたのが原田芳雄だった。

 芳雄さんにはかわいがってもらいましたね。俳優養成所に行ってないオレに興味持ってくれたんです。芳雄さんは自分のことを「養成所のアカがついてる」って言ってました。オレから見たら全然アカなんてついてなかったですけどね(笑)。でも「そのアカを落とすため」って言って路上で演劇やったりしました。舞台よりデカい声上げないと客に聞こえないから大変なんですよ(笑)。

 阿藤が出演した映画の中でも印象深いのが原田との共演作、そして「遊「野獣死すべし」といった松田優作との共演作だ。今は亡き2人の名優に関するしびれるエピソードを阿藤が明かす。

 雨の日に芳雄さんらと麻雀打ってたんですけど、そこに優作さんが来たんです。それでアーリータイムズが入った紙袋を何も言わずにスッと差し出して。それで皆でまた麻雀打ちだして。優作は何もしゃべらないから、麻雀できてよかったですよ(笑)。その帰り際、優作が「芳雄さんのこと、アニキって呼んでいいですか」「おう、いいよ」って会話して。その後、芳雄さんはずっとアーリータイムズを飲むようになったんですよね。

 最後にあらためてバイプレイヤー論について聞いてみた。

 自分が脇役って一度も思ったことないんですよ。世間は主役が中心にいて脇役がいて、と思ってるだろうけど、それだといい作品ができないと思う。ただ、脇の役者が目立ちすぎるような作品はいい作品じゃないね(笑)。作品っていうのは、織物みたいなものですよ。柄の部分もそうじゃない部分も、どれもよくないと全体の出来がよくならないじゃないですか。

カテゴリー: 芸能   タグ: , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    実力派ジョッキー戸崎圭太も登場!「KEIRIN GP2019」スペシャル企画動画『The DAN(座談)』をチェックせよ!

    Sponsored
    138500

    12月にもなると「なんだか気持ちが落ち着かない…」というギャンブル好きの読者諸兄も多いことだろう。というのも年末は、競馬の「有馬記念」、競艇の「賞金王」、オートレースの「SS王座」といったビッグレースが目白押しだからだ。競輪では、12月30…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , , |

    センベロ、野球、鉄ちゃん、アニメ、オタク……趣味などの価値観重視で生涯のパートナーを見つけるマッチングアプリが中高年に最適なワケ

    Sponsored
    136162

    50歳で結婚歴のない「生涯未婚率」が激増している。これは2015年の国勢調査の結果によるもので、親世代となる1970年の同調査に比べると、その率なんと約14倍なんだとか。この現実をみると、「結婚できない……」ことを切実な問題として不安に思う…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    “男の活力低下”につけこむ甘い罠…手軽に入手できる海外未承認薬の危険過ぎる実態に迫る!

    Sponsored
    133097

    40代50代の中高年男性といえば、人間関係、リストラの恐怖、のしかかる責任感など仕事上の悩みに加えて、妻や子どもとの関係、健康や老後の不安といったプライベートなことまで、さまざまな問題を抱えているもの。そしてこれらがストレスとなり、加齢によ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
木村拓哉、「グランメゾン東京」でのセリフが“違和感”放っちゃった理由!
2
鈴木亜美、幼少期の極貧生活告白で思い出される「アノ人との恋愛」
3
ミニ丈スカートにワキ見せも!「北朝鮮スッチーカレンダー」を入手公開
4
“SNS開設”を拒んだ新垣結衣が絶対にプライベートを見られたくないワケ
5
常盤貴子、美麗ドレス姿の“クビレ”に称賛の嵐も胸に「ある疑惑」が急浮上!