社会
Posted on 2019年12月09日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<好酸球性副鼻腔炎>「治りにくい鼻詰まりは国指定の難病の可能性も」

2019年12月09日 05:55

 最近、鼻がずっと詰まっていたり、グズグズしている──そんな人は「好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)」かもしれない。聞き慣れない病名だが、副鼻腔炎とは異なり、国の指定難病に認定されていて、近年患者数が増加している。

 この病気は、鼻の中に鼻茸(はなたけ・鼻腔ポリープ=粘膜が慢性炎症で腫れ、見た目がキノコ状になっているもの)ができて、血液中の好酸球数が増加することで発症すると考えられていて、40代くらいの働き盛りに多く見られるのが特徴だ。

 慢性疲労や睡眠不足、ストレスなどによる免疫力の低下が原因と言われている。

 好酸球性副鼻腔炎は、嗅覚にも不調をもたらす。副鼻腔のポリープなどがニオイを感じる通り道にできやすいために、ニオイがわからなくなるのだ。のりのような粘り気のある鼻水も出て、進行すると、鼻水が喉に流れ落ちる「後鼻漏(こうびろう)」の症状がみられる。

 そのため、喘息や気管支炎、中耳炎を併発する人も多い。

 治療はステロイドを使用するのが一般的。まず点鼻薬を使用し、効果が低い場合は吸入、さらに内服薬の使用へと切り替える。ステロイドを長期で使用すると、高血圧や高血糖、感染症などの副作用のリスクがあるため、ステロイド使用が長期に必要になる場合は、鼻の中を硬性ファイバースコープで観察しながらポリープを切除する内視鏡手術を行う場合もある。

 ただし、ステロイド治療で一時的に症状を落ち着かせても、「難治性・再発性」のため完治するのは難しい。症状がいったん緩和しても、自己判断で薬をやめてしまい、悪化させてしまう人も多い。

 定期的な通院が必要で、治療にはお金がかかる。この病気が疑われる場合は、専門性の高い耳鼻科を受診することをおすすめする。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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