芸能

石川さゆり「金と男」に翻弄された「怨歌人生」(1)有力パトロンの保証人となり

 大河ドラマ「麒麟がくる」にも出演している石川さゆり。その美貌と歌唱力で紅白歌合戦に出演すること実に42回。今や日本を代表する演歌歌手として存在感を見せつけている。しかし、その半生は波乱万丈そのもの。10億円トラブルで自宅を差し押さえられるなど、怨嗟と称賛に彩られた62年の人生に迫った。

 客席の右前方を向き、ステージマイクを持った手が大きく突き上げられ、「あなたと越えたい 天城越え」の歌声が宙を舞う。歌い終えると正面を向き、目は険しく光り輝き、左手が情念をつかみ取るように、艶めかしくうごめく‥‥。

 石川さゆり「天城越え」に魅せられるファンはこのクライマックスに脳天がシビれ、めまいを覚えるに違いない。

 石川さゆり、62歳。NHK「紅白歌合戦」は42回出場を誇る。昨年の紅白出演者では、49回の五木ひろしに続く2番目。歴代で40回を超えたのは五木のほか北島三郎、森進一、そして女性では石川一人しかいない。

 トリに至っては、これまで9回(うち1回は大トリ)務めてきた。07年からは「天城越え」と「津軽海峡・冬景色」を1年おきに歌い続けている。19年は「津軽海峡・冬景色」だった。今年は恐らく「天城越え」か。いかにこの2曲が国民に支持されているかの証しである。石川の歌を聴いてやっとその1年が終わるというほど、日本人の心象風景に刻み込まれている。

 そんな石川が女優としても異才を放っているのが、初回視聴率19.1%と好調なスタートを切ったNHK大河ドラマ「麒麟がくる」だ。役どころは主演・長谷川博己演じる明智光秀の母・牧。ドラマウオッチャーによれば、

「初回は京に旅立つ光秀を送り出すシーン。3回目は斎藤道三の娘で沢尻エリカの代役で出演が決まった川口春奈、光秀が京で出会うヒロインの駒を演じる門脇麦と3人のシーンで登場しました。この場面は時代劇になじみがない川口と門脇の2人とは異なり、経験を重ね、何事にも動じない石川の落ち着き、存在感が劇中に溶け込んでいる。最初は『もしかして石川さゆり?』と驚いた人も多かったはずですが、『光秀の母』として定着していけば、ますます注目されるのでは。収録では、若い2人に着物の着こなしを教えたりしているのではないでしょうか」

 16日の第5回でも門脇とのシーンが放送された。

 なぜ今、石川なのか。「THE 芸能スキャンダル!」(徳間書店)の編者でコラムニストの峯田淳氏は「光と影のコントラスト」が際立っている、と称賛を惜しまない。

「大げさに言えば、世界の歴史が戦争の歴史なら、芸能界の歴史はスキャンダルの歴史です。スキャンダルという影があって、乗り越えたからこそ、万人に感動を呼ぶ歌声や演技が可能になるのだと思います。石川もしかり。『天城越え』のあの鬼気迫るパフォーマンスはスキャンダルの肥やしがあるからです」

 中でも衝撃的だったのが、宮崎県内を中心に手広く事業を展開していた「バブル紳士」絡みのスキャンダルだった。この紳士は石川の有力なパトロンとみられていたが、宮崎県内のゴルフ場のオープンに駆けつけた、紳士所有のヘリコプターに石川が同乗していたと書かれたこともあったほど、親密だった。ところが‥‥。

「99年には、破綻した国民銀行絡みの『バブル紳士』への巨額の不正融資、01年には、東京商銀絡みの巨額融資が事件化しただけでなく、東京商銀事件では『バブル紳士』は逮捕。石川は手がけていたカラオケボックス事業との関連で、『バブル紳士』の会社関連の保証人になっていたことが発覚した。最終的には、整理回収機構から返済を求められ、10億円もの賠償金の支払い命令が出ることとなったんです」(社会部記者)

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