芸能

ビートたけしの名言集「シークレットブーツを履いてそうな俳優」

 2月9日に開催された米の映画の祭典・アカデミー賞にて、オール韓国語のバリバリの韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が作品賞を受賞し、大きな話題になりました。さらに、基本的に映画館では上映せず、ネットからの配信を主とする、ネットフリックス制作のいくつかの作品がノミネートされ、そちらも話題となっていました。で、1週間ぶりにお会いした殿から「おい、何か変わったことあったか?」と聞かれたわたくしが「殿、こないだのアカデミー賞なんですが──」と切り出し、そんな話をお伝えすると、

「何だ? 『パラサイト』ってやつは、オール韓国語の映画なのか?」

 と、まずは軽く興味を示してきたので、「韓国が抱える、日本より激しく厳しい格差社会といったヘビーなテーマを扱いながらも、エンターテインメントのサスペンス映画として大変見ごたえのある内容に仕上がっています」と、どこかの映画評論家が語っていた映画評を、そのまま受け売りする形で、やや得意になって説明すると、殿はすかさず、

「アメリカなんかの格差もすごいことになってるよな。もう、とんでもねー金持ちと、それ以外の、もうどうにもならない人たちって感じでよ。だけどアメリカは、どうにもならないほうが、ハナからあきらめてる感じするよな。メキシコから来た移民なんて、アメリカでギリギリの生活でも、メキシコにいるよりはましだから、これで十分って感じでよ。もう最初っからあきらめてるヤツが多い気がするよな。そこいくと韓国も、まー日本もそうだけど、こっちはまだ、何かありゃ~下から抜け出せる感じがするから、上へのやっかみなんかも、強烈にあんだろうな

 と、持論を展開したのでした。で、その後もかなり真面目なトーンで格差について語っていた殿ですが、急に“いつまでも辛気臭ぇ~話してらんね~ぞ!”といった感じになって、

「そういえば、こないだ知り合いが、家のテレビでネットフリックス見れるように、セッティングしてくれたんだよ」

 と、一気に話題を替え、

「あれ、すごい数の映画が観れんだな。こないだなんて、あれ観ちゃったよ。ほら、普段は絶対シークレットブーツを履いてそうなヤツが出てる、あいつのシリーズ。ほら、あの、たまに日本にも来る、小さいヤツだよ」

 などと、観た映画の報告をしてきたのです。この時、いったい殿が何の映画を観たのか、皆目見当もつかず、会話に詰まっていると、

「ほら、あの小さいヤツが主人公のスパイ映画だよ」

 と、殿からの追加情報によって、トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル」だとわかり、あまり映画を進んで観ることのない殿が自宅で、しかも、圧倒的娯楽映画を観たことにかなり驚きました。しかし、トム・クルーズを、「普段、絶対シークレットブーツ履いてそうなヤツ!」と、しっかりと決めつける、常にぶれない殿、最高です。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「メジャーでは通用しない」藤浪晋太郎に日本ハム・新庄剛志監督「獲得に虎視眈々」
2
不調の阪神タイガースにのしかかる「4人のFA選手」移籍流出問題!大山悠輔が「関西の水が合わない」
3
2軍暮らしに急展開!楽天・田中将大⇔中日・ビシエド「電撃トレード再燃」の舞台裏
4
新庄監督の「狙い」はココに!1軍昇格の日本ハム・清宮幸太郎は「巨人・オコエ瑠偉」になれるか
5
【鉄道】新型車両導入に「嫌な予感しかしない」東武野田線が冷遇される「不穏な未来」