昭和の歌姫・中森明菜(59)が還暦を間近にして完全復活のノロシを上げた。「脱・聖子」路線でライバルと一線を画すと、年末の国民的歌番組も熱烈ラブコールを送るのだった。
「明菜だ、生きてたぞ〜!」
4月19、20日に大分市で開催された野外音楽フェス「ジゴロック2025 大分“地獄極楽”ROCK FESTIVAL」で、観客に向かってシャウトしたのは、紛れもなく、あの明菜だった。
出演した2日間で往年のヒット曲「DESIRE -情熱-」や「TATTOO」などを熱唱して、大盛り上がりを見せてくれた。
歌姫がステージに立ったのは、09年8月に開催された自身の横浜公演以来、実に16年ぶりの出来事で、野外フェス自体は初参加。音楽プロデューサーの小室哲哉(66)の呼びかけで、コラボが実現することになったが、その舞台裏を音楽関係者が明かす。
「相当なプレッシャーを感じていたようですが、本人は前向きにボイストレーニングを実施。初めての経験で勝手がわからないので、リハーサルも入念に行っていました。日常生活からステージで歌いきる体力を意識して、ジョギングや自重トレーニングで体を鍛え、食生活もタンパク質中心のメニューを取り入れたそうです」
22年に個人事務所とファンクラブを開設した明菜は、徐々に本格始動の機運が高まっていた。それに伴走するように秋波を送ったのはNHK紅白歌合戦だ。
22年3月に「中森明菜スペシャル・ライブ1989リマスター版」を放送するなど、NHKはたびたび地上波やBSで特番を組んで猛アピール。そんな中、いよいよ目玉出演の実現が近づいたのは、昨年の紅白でのことだ。
「出演交渉の反応は悪くなく、VTR出演も含めてギリギリまで話し合いが行われたんですが、最終的にゴーサインが出なかったんです」(NHK関係者)
体調面の問題とも言われているが、隠された別の理由もあった。古参の芸能プロ関係者が耳打ちする。
「今も明菜がライバル視しているのは、松田聖子(63)です。彼女はファンのイメージを崩さないように、ライブで煌びやかなミニスカ衣装を着たり、5年前にはオフィシャルサイトで“アラ還”のビキニ姿を披露。そうしたプロ意識に触発され、明菜も全盛期の自分を取り戻すことに必死でした。しかし、最近は還暦を自虐ギャグで笑わせることもあり、ありのままの姿をファンに見てもらおうと、意識が変わってきたんです」
NHKも諦めてはいなかった。4月5日にスタートした芸人のニューヨークが司会を務める音楽番組「ザ・グレイテスト・ヒッツ」の初回で「中森明菜スペシャル」を放送。明菜も番組にメッセージを送り、距離が縮まっていることを思わせた。前出・音楽関係者が続ける。
「野外フェスの後にはエネルギーを使い果たし、フラフラして心配になる場面もありました。それでも周囲には、『ありのままの明菜を披露したい』と意欲的に話し、手応えをつかんだ様子です。いよいよ紅白復帰出演も実現しそうです」
脱・聖子路線で完全復活を遂げ、“情熱”にも再び火が灯ったようだ。