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記事全文を読む→尾藤イサオ「僕はビートルズよりもプレスリー派でしたから」/テリー伊藤対談(3)
テリー そのぐらい忙しくて遊ぶ時間がないと、お金は貯まったでしょう?
尾藤 いやいや、全然貯まりません(笑)。ジャズ喫茶は登竜門じゃないですけれども、お金をいただいてお客さんの前で稽古するようなものですから。寄席と一緒ですね。寄席も全然お金にならない。僕は最初のお給料が1万円か1万5000円だったかな。
テリー あの頃、そんなもんでしたよね。
尾藤 サラリーマンの方の月給が9000円とか1万円ですから、それより少しよかったぐらいです。
テリー 20代の頃は一人暮らしですか?
尾藤 僕より一回り上の姉貴夫婦のところに住まわせてもらってました。僕は早くに両親を亡くしちゃったもんですから。そこでの暮らしが昭和41年(1966年)ぐらいまで、2、3年続いたのかな。ビートルズの来日もその年でしたかね。その頃には自分で車も買って。中古のスバル360を最初の頭金を1万円だけ入れて、残りは月賦で35万とか40万で買ったような気がしますけどね。
テリー 尾藤さん、実は僕、ビートルズの武道館公演を見に行ってるんですよ。
尾藤 あ、そうですか。
テリー あれ、読売新聞の主催だったじゃないですか。同級生が読売新聞でアルバイトしてたんです。高校生なのに。そいつから「俺は興味ないから、お前行けよ」って。今でいうと大谷の試合を見に行くみたいなもんですよ。僕もビートルズ大好きだったので。だから僕は尾藤さんの武道館公演も見てます。
尾藤 あぁ、そうですか。でも、僕はやっぱりプレスリー派でしたから。ビートルズがイギリスでもアメリカでもすごい勢いで出てきて。どんな奴なんだろうと思って、うちのテレビ見たら、おかっぱ頭で。
テリー マッシュルームカットですよね。
尾藤 いや、というか僕に言わせればおかっぱ頭で。服も4人同じ格好で歌ってる。「何が格好いいんだ」っていうのが僕の第一印象で。
テリー ああ、そんな感じだったんだ。
尾藤 僕はやっぱりエルヴィスのあの不良性がよかったですからね。
テリー でも、そんなこと言いながら「ウェルカムビートルズ」を歌ってましたよね。
尾藤 はい。さすが詳しいですね。井上忠夫さんが作った曲でね。
テリー ビートルズのステージは見れたんですか。
尾藤 あれ、ある? 裕也さんと見てる(とマネージャー氏に聞く)。
マネージャー 今、出します(とスマホで写真を検索して尾藤に渡す)。
尾藤 この写真ね。誰が撮ったかわからないんですけれども。演奏するビートルズの4人の前に警備の人たちがいるための囲いがあって。その中のパイプ椅子に裕也さんと僕が座ってる。
テリー あ、ホントだ。特等席じゃないですか。僕は2階席のけっこう前のほうにいたんですよ。で、どうでした、間近で聴いたビートルズは。
尾藤 格好よかったですね。確か3日間で5ステージあって、1回は客席、あとの4回はその囲いの中で見てたんですけど。
テリー すごいな、全部見てるんだ。
尾藤 まず1回目見た時に、4人が出てきますよね。最初リンゴ(・スター)が後ろ向きだったのかな。それで客席に向かってパッと手を挙げると、客席がワーッと盛り上がるんですね。
テリー 何かね、ぶっきらぼうというか、愛想が全然ないんですよね。
尾藤 そうです、そうです。テリー それが格好よかった?
尾藤 ええ。だからあくる日のジャズ喫茶でも、それをマネしましたよ。いつもだったら「あ、どうも」なんて出て行くんですけど、何にも言わない(笑)。
テリー アハハハハハ。
尾藤 僕だけじゃない、ビートルズを見た後は、みんなそんな感じでしたよ。それでお客さんに全然無視されて、相手にされないっていうね(笑)。
ゲスト:尾藤イサオ(びとう・いさお)1943年、東京都生まれ。曲芸師として活躍する傍ら、中学時代にエルヴィス・プレスリーに出会い、ロカビリー歌手を目指す。1960年、プロダクションに所属し、都内のジャズ喫茶などに出演。それがテレビプロデューサーの目に留まり、「パント・ポップショー」(TBSテレビ)や「森永スパーク・ショー」(フジテレビ)にレギュラー出演する。1964年、カバー曲「悲しき願い」が大ヒット。1966年、ビートルズ日本公演の前座を内田裕也やブルージーンズらと務めた。1970年、テレビアニメ「あしたのジョー」の主題歌を歌い、代表作のひとつに。また俳優としても多くの映画やドラマに出演。現在「夢グループ20周年記念コンサート」で全国ツアー中。8月10日(日)にはZepp DiverCity TOKYOで開催される「スーパーアニソン魂2025“夏の陣”~THE LEGENDS~」に出演。
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