スポーツ
Posted on 2025年06月10日 05:58

「長嶋茂雄をAIで甦らせてNHK紅白出場」音楽業界で盛り上がる最新技術の追悼企画

2025年06月10日 05:58

 もしも長嶋茂雄さんがAIで「復活」したら――。

 日本中に絶大な影響を与えた「ミスタープロ野球」の存在と、人工知能という新たな技術が交差する可能性に、関心が集まりつつある。

 6月3日、読売ジャイアンツ終身名誉監督の長嶋茂雄さんが肺炎で死去した。東京都稲城市の「ジャイアンツタウンスタジアム」には記帳所が設けられ、連日多くのファンが訪れている。6月7日には東京ドームでも記帳所が開設された。プロ野球界にとどまらず、日本社会全体に与えた影響の大きさを物語る光景だ。

 長嶋さんはスポーツ界を超え、音楽の世界でも印象的な足跡を残している。1993年には「ZYYG、REV、ZARD & WANDS featuring長嶋茂雄」名義でリリースされたシングル「果てしない夢を」に参加。当時、「劇空間プロ野球93」(日本テレビ系)のテーマソングとして制作され、巨人監督に再就任していた長嶋さんはゲストボーカルという形で加わった。楽曲はオリコン週間2位、累計72.6万枚のヒットを記録した。共演したWANDSの元ボーカル上杉昇は、訃報が伝えられた日、所属レーベルの公式Xを通じて追悼の意を表している。

 その音楽業界でクローズアップされているのが、NHK紅白歌合戦などでの追悼演出に「AI長嶋茂雄」が登場する可能性だ。2019年の第70回では、AIによって再現された美空ひばりが新曲「あれから」を披露し、大きな話題になった。技術的再現度の高さが評価された一方で、「本人が歌ってこそのステージだ」といった声も多く、親友だった女優・中村メイコはラジオ番組で「いちばん単純に言うと『嫌だ』。本人がここにいて歌ってほしい」と率直な心情を明かしている。

 長嶋さんもまた、豊富な映像と音声資料が残されており、技術的にはAIによる再構成が可能な人物といえる。音楽作品やテレビ出演時の記録も含め、将来的にAI技術が追悼の場面で用いられる可能性はゼロではなかろう。

 NHKや音楽関係者からは、追悼企画に関する正式な発表は出ていない。ただ、AIによる表現手法が広まりつつある今、長嶋さんという象徴的な存在をめぐる技術的アプローチは権利関係なども含め、俎上に載せられるかもしれない。

 ミスタープロ野球の姿や声を、これからどのように振り返っていくのか。AI技術の進展に伴い、その表現の形に静かな関心が寄せられている。

(ケン高田)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク