来季からメジャーリーグで導入が検討されている「ロボット審判」について持論を展開したのは、野球解説者の江川卓氏である。
「ロボット審判」とは、自動ボール・ストライク判定システムのこと。通常は球審がボール、ストライクを判断するが、その判定に異議を唱えたい場合、両チーム2回のチャレンジ行使権を持ち、打者、捕手、投手が要求できる。ベンチからは要求できない。
「立った状態でストライクゾーンを決めるのか、構えなのかっていうのが、まずわからない」
自身のYouTubeチャンネル〈江川卓のたかされ【江川卓 公式チャンネル】〉で江川氏はまず、そう切り出した。異議を唱えたのは、ストライクゾーンの判定基準だ。身長から割り出すのか、構えで判断するにしても1球1球で異なる可能性がある。それをロボット審判が判断できるのか、との指摘だ。
「話が長嶋(茂雄)さんになっちゃうけど、ド真ん中の球に長嶋さんが『ボール』って言って、アンパイアがつられて『ボール』って言っちゃったことがあるんですよね。そこで行われていることが、そういう雰囲気の中で『ボール』になったんです」
現役時代には、自身の投球がストライクだと思ってもボール判定されたり、またその逆もあったわけだが、
「それが面白かったような気がするんですけどね。アウト、セーフは(ビデオ判定で)いいけど、ストライク、ボールはアンパイアにやってほしいな」
つい先日、メジャーリーグではこんな場面があった。6月4日(日本時間5日)、ドジャース×メッツの試合で、ドジャースが3点を追う5回二死一塁の場面。バッターは大谷翔平だ。カウント3-1からの5球目を自信をもって見逃したが、判定はストライク。大谷は怒りを抑えて小さく2度ジャンプ。結局、6球目を見逃して三振に倒れ、球場はブーイングに包まれた。
この時「ロボット審判」を導入していれば、大谷も観客席も納得する結果が出ていたのだろうか。
(所ひで/ユーチューブライター)