政治

東京五輪の開催は確実?トランプ大統領の後押しが最大の援護になるワケ

 新型コロナウイルス対策を巡って安倍首相は2月27日、全国の小中高などを対象に3月2日から臨時休校にするよう要請した。世界中から日本の感染症対策が生ぬるいと批判される中、思い切った決断には賛否両論が噴出しているが、どうやらアメリカではこの決断を歓迎するようだ。

「トランプ大統領は現地時間の26日、ホワイトハウスでの会見にて東京五輪の開催を望んでいると発言しました。この会見では日本政府の対応を『プロの仕事と聞いている』と評価しており、安倍首相の休校要請も米政府側に響きそうです。これでアメリカが東京五輪の開催を後押しすれば、国際オリンピック委員会(IOC)もその意を汲んで予定通りの開催に大きく舵を切るのではないでしょうか」(スポーツライター)

 しかし、いくらアメリカがスポーツ強国とは言え、一国だけの方針で五輪の開催を左右できるものだろうか?過去には旧ソ連のアフガニスタン侵攻に反発したアメリカが1980年のモスクワ五輪をボイコットしたが、西側諸国でボイコットに追随したのは日本、カナダ、ドイツ、韓国、ノルウェーの5カ国だけ。イギリスやフランスなどの主要国は選手団を派遣しており、アメリカとの温度差が露わになったものだ。

 ただ、当時と現在では、五輪を取り巻く環境が大きく変わっているというのである。前出のスポーツライターが指摘する。

「いまや五輪は巨額の資金が動く超大型のスポーツイベント。IOCによるとソチ五輪とリオ五輪を含む2013~2016年の総収入は57億ドル(約6270億円)におよび、年間の予算規模は1500億円を超えています。その原資となる放映権料で、米NBCは1大会平均12億ドルもの巨額を負担。世界の放映権料総額の過半数を占め、IOC総収入の4割にも及んでいます。それゆえIOCがアメリカの意向に逆らうことはできませんし、そもそもアメリカ人は五輪中継が大好き。トランプ大統領の発言は、IOCに対する有形無形の圧力となっていることでしょう」

 そんなアメリカの意向は、東京五輪が真夏に開催される理由にもなっているというのだ。

「04年のアテネ五輪以降、夏季五輪は7~8月に開催されています。これはアメリカにとって最も都合の良い日程だから。なにしろ9月になるとNFLとカレッジフットボールという、アメリカで最大級の人気を誇るアメフトが始まるので、中継局も米国民にとってもそれより前に五輪が終わってもらわないと困るのです。NBCではNFL中継に毎年10億ドル近くを支払っており、巨額のスポーツコンテンツ同士がバッティングするのは最も避けたいところ。1988年のソウル五輪ではアメフトのシーズンと会期が重なってしまうという苦い記憶が残っていることもあり、NBCでは五輪を真夏に開催するようIOCにねじ込んでいるのです」(前出・スポーツライター)

 ともあれ、東京五輪の時期までには新型コロナウイルスの終息が宣言されていることを祈るばかりだ。

(金田麻有)

カテゴリー: 政治   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
高島礼子の声が…旅番組「列車内撮影NG問題」を解決するテレビ東京の「グレーゾーンな新手法」
4
「致死量」井上清華アナの猛烈労働を止めない「局次長」西山喜久恵に怒りの声
5
皐月賞で最も強い競馬をした3着馬が「ダービー回避」!NHKマイルでは迷わずアタマから狙え