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我が青春の週刊少年ジャンプ(17)実家の後継ぎ問題で連載がピンチに

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 高校生がいきなり漫画家という不安定な職業を目指すことは、簡単なことではなかった。特に森田の場合、実家の事情があった。

「実家はお寺でね。僕も高校1年の時に得度(仏門に入る儀式)していて、親も当然、俺が寺を継ぐものだと思ってた。だけど、どうしても漫画家になりたくて、『大学に行かせたと思って4年だけ東京に行かせてくれ!』って頼んで。4年で連載を持って有名になるからって。それで東京に出てきて(『北斗の拳』の)原哲夫先生のアシスタントになったんだ」

 森田は結果的に、ほぼこの宣言どおりに漫画家としてのキャリアを積み重ねていくことになる。4年目で「ろくブル」の連載がスタート。前述のようにみごとに大ヒット作へと成長する。

 その後もTBS系でドラマ化もされた熱血野球漫画「ROOKIES」や、現在も連載中のお笑い芸人を描く青春劇「べしゃり暮らし」など、ヒット作を連発し、デビュー25周年を迎えた今も現役の人気作家だ。

 だが、実は地元・滋賀の人たちは、つい最近まで森田がいずれは寺を継ぐと思っていたという。

「僕が『いずれ帰る』って言い続けてたのが悪いんだけど、親も檀家さんも連載が始まっても『連載が終わったら帰ってくる』と思ってたんだよね。だから、『ろくでなし』が終わった時も、実家にバレないようすぐに次の連載を始めて(笑)」

 さらに「ろくブル」連載時にも実家の後継ぎ問題でピンチを迎えたことがあった。

「『ろくブル』で四天王の鬼塚ってキャラが登場した頃、親父が亡くなってね。後を継ぐために連載を終了するかって話まで出た。連載自体はすごく調子のいい時期で、ようやく作品の方向性も不良たちの抗争もので行こうって固まってきた頃で。結局、親戚の人に代理で住職をしてもらうことになって、それがつい最近まで続いてた。25年間、ずっと檀家さんを裏切り続けてきたんだ(笑)」(森田)

 結局、後継ぎ問題が正式に解決したのはつい最近。森田が僧職の人間を養子に迎え、その人物が実家の寺を継いだという。

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