社会
Posted on 2020年12月27日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<エコノミークラス症候群>「在宅勤務の落とし穴。実は冬場の脱水が…」

2020年12月27日 05:55

「エコノミークラス症候群」をご存じか。正しくは「急性肺動脈血栓症」。飛行機などの狭い座席に長時間座り、足を動かさないことによって血栓ができ、それが血流に乗って肺の血管を詰まらせ、急速に息ができなくなってしまう病気だ。

 特に新型コロナウイルスに感染すると、血栓ができやすいことから、「エコノミークラス症候群」のリスクが上がるおそれが指摘されている。

 いや、感染に至らずとも、コロナ禍で外出を控えて長時間のテレビやゲームやテレワーク生活をしていると、足に血栓ができやすくなる。椅子に座ったまま体を動かさず、ずっと同じ姿勢を維持すれば、2時間程度で血栓ができるという報告も一部にある。在宅勤務でも、1~2時間に1度は立ち上がり、体を動かす必要がある。

 この病気は、発汗などによって体内の水分が失われ、脱水症状になりやすい夏場に発症しやすいと言われるが、冬場も油断は禁物だ。暖房をつけた室内で過ごしていたり、こたつや電気カーペットなどを使用した状態で長時間うたた寝していたりすると、脱水症状になるリスクが高い。特に、汗をかく夏場と違い、体内から水分が失われていることに気づきにくくなる。

 有効な予防策は歩くこと。体を動かすことで筋肉の収縮運動が起き、ポンプのように働いて静脈内の血液を心臓に向かって押し出し、うっ血を改善してくれるのだ。

 寒いからと外出を控えたい人は、こまめに足首を回したり、かかとの上げ下げ、ふくらはぎのマッサージもいい。

 血栓は血液がドロドロになることで起きやすくなるので、こまめな水分補給も必要だ。ただし、アルコールは利尿作用があり、脱水を引き起こす可能性があるため、控えたほうがいいだろう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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