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記事全文を読む→尖閣上空「日中開戦」の最悪シュミレーション(1)防空識別圏をめぐる日本と中国の摩擦
中国が突然「防空識別圏」を設定し波紋を広げている。圏内に入った自衛隊機に対し「防御的緊急措置」を取るという。尖閣上空は“有事”へ向かう火薬庫となり、このエリアの防衛を担当する九州・沖縄の緊張が高まるばかりだ。何が起こり、どうなるのかを専門家がシミュレーションした!
2014年1月某日の尖閣空域上空──沖縄県那覇にある南西航空混成団・通称「南混〈なんこん〉」に所属する204飛行隊の戦闘機F-15Jイーグル2機は、領空侵犯を犯した2機の中国機J-10にスクランブルをかけていた。尾翼には、日本最強のイーグルの証しである白頭鷲〈はくとうわし〉のエンブレムが描かれている。
年が明けてから中国機が自衛隊機に異常接近を繰り返し、嫌がらせをしているのだが、この日は様子が違った。自衛隊機が警告を与える前に、中国機が戦闘を仕掛けるように動き始めたのだ。
異変を感じた2機の自衛隊機は即座に回避行動を取るが、1機のイーグルのコクピットでは、中国機から赤外線レーダーでロックオンされたことを示す警告音が鳴り響いた。
元航空自衛官で軍事ジャーナリストの潮匡人氏が語る。
「通常、ロックオンされれば、あとは発射ボタンを押すだけでミサイルは当たるのです。ロックオンされた段階で正当防衛の『急迫性の侵害』は認められ、自衛隊機は武器使用ができます。その判断は、方面司令官に任されますが、この段階で『撃て』という指示を出せるのかは疑問です」
レーダーを攪乱するために、大量の熱を放出するフレアをまきながら回避行動を続ける自衛隊機。武器使用許可が下りない中、逃げ続ける自衛隊機に向かって、J-10は短距離ミサイルを発射した。
パイロットは優れた操縦技術でイーグルを操り、狙ってくるミサイルを振り切ろうとしている。その瞬間、もう1機の自衛隊機が中国機の背後を取り、機銃で撃墜したのだった。
「日本の自衛隊が我が国の防空識別圏で警告を無視し、一方的に攻撃を行い撃墜した。今後、我が国の領土に近づく日本の軍用機、民間機、民間船舶を攻撃目標とする!」
その日、中国政府は世界に向け、こう「日中開戦」を宣言したのだった──。
中国が「ADIZ〈エイディーズ〉」(防空識別圏)を一方的に設定したのは、11月23日のことである。多くの国では領海・領空を領土から12海里(約22キロメートル)と定めている。航空機の場合、領空からわずかな時間で領土に到着することから、領空の外側にADIZを設定している。そこを通過する際には飛行計画書を当該国に提出するのだが、無許可で通過する飛行機には戦闘機がスクランブルをかけ、注意を呼びかけるのだ。
今回、中国政府は、日本の領土・領海を含める形で自国の防空識別圏を一方的に設定した。日本政府は撤回要求を出したのだが、中国国防部報道官は、28日にこう答えたのだ。
「我が国に防空識別圏を撤回せよと言うならば、日本が先に自国の防空識別圏を撤回すべきだ。そうすれば、我が国は44年後に再考しよう」
国連常任理事国とは思えない“屁理屈”に、世界中は失笑したのだった。
◆アサヒ芸能12/3発売(12/12号)より
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