スポーツ

第58回「有馬記念」08年有馬制覇“アンカツ”こと安藤勝己が注目馬を完全診断(1)

20131226o

 中央競馬の総決算! 今週行われる「有馬記念」は、オルフェーヴルVSゴールドシップの“2強対決”がささやかれているが、GI22勝の名手・アンカツが下した診断は「オルフェは大丈夫。ゴールドシップは危ねえ」だ。

 キズナの回避は残念やったけど、たぶんオルフェーヴルには、かなわんかったやろな。ホント、オルフェは瞬発力があるんよ。ゴーサインを出すと、パッと反応して、ビューッと一気に動ける。そういう点がキズナにはねえし、ちょっと中山向きじゃねえなっていう気がしてたからね。

 凱旋門賞の時もオルフェが勝つなと思って見てた。トライアルのフォワ賞が強かったでしょ。ましてや目いっぱいの競馬をしていなかったから、本番はちょうどいいんじゃねえかなと思ったし、気性的にも1年前から見ると、ずいぶん成長しているなと思ったね。

 だから、本番で2着に敗れた時は、正直、もの足りん気持ちもあった。大事に乗りすぎてるよね。確かに勝ったトレヴは間違いなく強ええし、いい競馬をしてるからしょうがねえけど、オレはもっと内でためて、しまい勝負に賭けるかと思ってた。道中で外に出しちゃったことで何回か脚を使ってるし、それが原因で、あれだけ離されたのかな、という気がしねえでもない。

 ここが引退レースになるけど、まず大丈夫やと思うよ。ただ、一つ心配なのは、いかにも落ち着いちゃって、怪物と言われたパフォーマンスがねえのかな、という部分も多少はあるね。気性が落ち着くと走らねえ馬もたまにおるから。競馬は難しいんよ(笑)。

 怪物オルフェーヴルといえば12年天皇賞・春の惨敗劇(11着)が思い出される。前走の阪神大賞典で逸走し2着。おとなしく映った本番では後方のままファンの期待を裏切った。次走の宝塚記念で復活し、初挑戦の凱旋門賞では2着惜敗も、驚愕の瞬発力で世界のホースマンをうならせた。そのオルフェと同じ父と母父の血を持つゴールドシップも、気性面で不安を抱えている。

 ゴールドシップが2番人気やろね。でも、オレはJCを見て、こりゃ有馬もいらんと思ったわ。パドックでも活気なく見えたけど、正直、あそこまで惨敗(15着)するってことは、流れがどうのこうのって感じじゃねえもんな。確かに上がりは速かったけど、時計自体はそんな速くねえから。

 京都や東京は合うタイプじゃねえだろうけど、掲示板におらなアカン時計やった。乗り方や位置取り、展開がどうのっていう以上に負けてる。それが状態面の問題なのか、気性的な問題なのか、はっきりとはわかんねえけど、すぐに変わりそうな感じはしねえよな。

 もともとズルイところのあった馬で、追われなけりゃ伸びねえタイプの馬だから。そういうズルイ馬ってのは、どうしてもレースで叩くのも強くなって、強い扶助で追うんやけど、それにも慣れてきて反抗するようになってくる馬も多いんよ。馬だって本当は走りたくねえんだから(苦笑)。

 父ステイゴールドは海外でよう走ったように、やはり何か変化があって、自分から走る気になればええんやけどな。馬の気持ちを変えたいという気持ちが今回の乗り替わり(内田騎手→ムーア騎手)にもあるんやろうけど、こればっかりは何がええのか、わからんな。

 ただ、やっぱ騎手というレベルの問題じゃねえと思うね。内田君やからここまでの馬になったわけやし、アイツに反抗するようになったらそうは簡単に動かんって。馬の質は比べものにならんけど、オレにも経験があるからわかるわ。

 雨が降ってすごく時計のかかる馬場になったらわかんねえけど、今の中山の状態のままなら、今年は危ねえんじゃねえかと思うよ。

◆アサヒ芸能12/17発売(12/26号)より

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
4
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身