スポーツ
Posted on 2013年12月26日 09:57

掛布雅之「田中将大のポスティング問題について」

2013年12月26日 09:57

20131226l

 イチローに松坂大輔、ダルビッシュ有、そして青木宣親‥‥。今まで数多くのメジャーリーガーを輩出し続けた日本球界。今やテレビをつければ、多くの日本人選手がメジャーリーグで活躍している姿を見られる時代となっています。そしてそのほとんどの選手がポスティングシステムを使って、メジャー球団と契約を行ってきました。

 しかし、楽天の田中将大のメジャー挑戦で、日本プロ野球とメジャーリーグの関係が大きく変わろうとしています。それがポスティングシステムの上限設定です。これは今後の日本人選手のメジャー挑戦を考えても、避けては通れない道。至極当然な制度であります。

 そもそも、ポスティングシステムはお金を出した球団しか選手の獲得ができない制度。つまり入札額の大きい球団以外は選手との交渉すらできない状況だったわけです。その点では、メジャーリーグの言い分は非常に理解ができます。今回の20億円という上限設定は、優秀な日本人選手を入団させたいメジャーリーグ側と多くのチームと交渉をしたい選手会の意見のマッチがあったからこそ「基本合意」に至ったのです。

 報道では以前のポスティングシステムであれば、田中は100億円ほどの移籍金が動くと言われている選手。そんな金額を提示できるのは、限られた球団のみ。もし田中がダルビッシュと同じようにポスティングシステムでメジャー入りすれば、彼を入団させたい中小球団はそのチャンスすら与えられないのです。

 私は、むしろポスティングシステム自体を見直すべきだと思っていました。ポスティングシステムというのは聞こえはよいけれど、結局メリットは日本の球団側にお金が入るだけ。金額での交渉で選手を移籍させるというのは、もはや人身売買と思われてもしかたのないおかしな制度なのです。

 しかも、田中の場合は今年の活躍も含めて、十分に年俸以上の責任を果たしたはず。楽天も、これ以上彼に付随するお金にこだわる必要はないでしょう。義務を果たした選手には、権利を与えるのは当然であるべきなのです。

 しかし、現実はこのポスティングシステムがあったばかりに、田中のメジャー入りに「待った」がかかってしまっています。しかもこの制度は日本からメジャーへ渡る時だけに発生するシステムで、メジャーの選手が日本にやって来る際には適用されません。こんなあべこべな制度が存在していること自体、おかしな話でもあるのです。

 いっそのこと、ポスティングシステム自体を廃止して海外FAを国内FAと限りなく同じ条件にするほうがスッキリするのではないでしょうか。これなら選手が主導となってチーム選びをできるわけですから、よけいないざこざも生まれないし、選手個人も、自分に対する評価としての金額は、自分がもらえるほうがいいに決まっています。

 その代わり、球団側は将来メジャーに挑戦する選手に対しては成績において厳しい基準を設ける。そうすれば球団側も不意な戦力の放出を防ぐことが可能にもなりますし、ファンとしても試合の見方が変わってきます。今後の野球界を考えても、ポスティングシステム自体の抜本的な改革を進めるべきなのです。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    スポーツ
    2026年06月12日 14:30

    巨人がセ・パ交流戦15試合消化時点で9勝4敗2分と、白星を積み重ねている。パ・リーグ球団がセ・リーグ勢を圧倒する交流戦で、巨人はセで唯一、大きく勝ち越している。阿部慎之助前監督から引き継いだ橋上秀樹監督代行の、調子がいい選手をとにかく使うス...

    記事全文を読む→
    スポーツ
    2026年06月16日 11:00

    まさにハチの巣をつついたような騒ぎになっている。昨年までロッテ監督だった吉井理人氏が、楽天の新監督に就任することが決まったからだ。混迷を極める楽天らしい、シーズン途中という異例のタイミングである。そんな中、楽天は6月17日の午前中に仙台市内...

    記事全文を読む→
    スポーツ
    2026年06月19日 07:00

    阿部慎之助前監督が去った巨人は、橋上秀樹代行体制で臨んだセ・パ交流戦に、セ・リーグ球団で唯一、勝ち越した。6月19日からはリーグ戦の再開となるが、ここに元巨人1軍打撃チーフコーチが爆弾を投下した。野球解説者・愛甲猛氏のYouTubeチャンネ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/6/23発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク