芸能
Posted on 2021年12月31日 17:58

DAI語も先取り!?星由里子、私生活は波乱万丈も生涯失わなかった「清新さ」

2021年12月31日 17:58

 2018年5月16日。女優・星由里子が旅立った。享年74歳。74歳ではあったが、若々しい印象を保ったままの死ではなかったか?思えば、これ以外には考えられない芸名である。「スター」と「百合」の共演。本名さえも清水由里子と清々しい。

 ただ、この“由里子嬢”は、少しばかり嫉妬深くて、勝気のいわゆるヤキモチ焼きで、つき合う男をしばしば戸惑わせる。特に、少しばかり男女のことに疎く、無頓着な男の場合はなおさら対比は鮮やかになる。

 そんな役柄のイメージがつきすぎて女優としてのキャラクターによからぬ影響を与えることも少なくないが、星の場合は生涯の清新なイメージにつながったといえよう。

 加山雄三と共演した若大将シリーズ第1弾の「大学の若大将」がそれである。

星の役名は澄子。やはり、濁りがなく清い、澄んだ娘の役で、製菓会社の売り子という役柄である。

 大学の水泳部のエースという設定の加山雄三の役名は田沼雄一。麻布にある老舗すき焼き屋「田能久」の跡取り息子。二人は、いろいろと関わり合いになり、魅かれながらも、互いに反発し合う。お約束の行き違いが、心地良くゆったりとしたテンポで描かれる。1961年7月8日東宝系公開だから星は当時17歳。嫉妬に駆られた眉根を寄せた顔も美しい。若大将の単刀直入かつ、ぶっきらぼうな名セリフがある。

「僕はね、本当のこと言うとね。女の子にはあんまり関心がないんだ。でも、年寄りに親切な人は別だ。つまり、澄ちゃんは好きだ」

 バスの中で年寄りに席を譲る澄子との出会いが、若大将と澄子の初めての出会いであり、若大将の母親代わりが祖母役の飯田蝶子であった。この澄子こと、澄ちゃんは人気となり、加山雄三演じる「若大将シリーズ」のセンターヒロインとなるのである。

 星の実人生はその後、実業家・横井英樹の長男・邦彦との80日離婚劇、脚本家・花登筐との再婚と死別、一般の会社役員との再々婚と波乱万丈であるが、星本人は、変わらずに澄んだ青春のイメージを身にまとっていた。

 日本もまた、青春そのものの高度成長期の入口であり、初の東京五輪を3年後に控え、日本中が沸き立っていて、元気であった。

 若大将シリーズは、「銀座の若大将」(62年2月10日公開)と続き、3作目で早くも「日本一の若大将」(62年7月14日公開)と文字通り、日本映画を代表する人気作品となるのである。

 ところで、若大将といえば青大将・田中邦衛を忘れるわけにはいかない。今年3月24日に鬼籍に入った田中の最初の当たり役が青大将であった。「大学の若大将」では、出演者クレジットでは後ろに近い18番目。星の勤める製菓会社の重役のせがれ役で、若大将のクラスメイトだ。サングラスに帽子をかぶり粋がる様は、まさに「青大将」で、一歩間違えば、「鼻持ちならない」ところを天性の「情けなさぶり」が、あと一歩のところで救っているのも見どころと言えようか。

 あの澄ちゃんが、青大将とのまさかの「ドライブデートOK」シーンとその後など、その白眉といっていい名シーンである。

 ラスト近くに、「若大将、今ね、MMKなのよ」の謎のセリフが、これもまた若大将のクラスメイト役である団令子から発せられる。ミュージシャンDAIGOの「DAI語」の先取りのようなフレーズだが、これに、「モテてモテて困ってる」のセリフが続くのである。確かにこれ以降、日本中でモテまくる若大将ではあった。

(文中敬称略)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2022年07月05日 17:58

    可愛さ余って憎さ百倍。いやはや、この2人のバトルは本当にすさまじかった。沢口靖子が主演したNHK連続テレビ小説「澪つくし」や、渡辺謙主演の大河ドラマ「独眼竜正宗」の脚本を手掛け、飛ぶ鳥を落とす勢いだった脚本家のジェームス三木氏。ところが19...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年07月31日 06:45

    堺雅人主演ドラマ「VIVANT」(TBS系)が3年ぶりの続編でも、圧倒的な存在感を放っている。第2シーズンの初回放送は、平均世帯視聴率18.8%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録。放送中にはXで世界トレンド1位になった。前作は2023年...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    芸能
    2026年08月06日 17:00

    2024年7月に停車中のロケバス内で共演者の女性に性的暴行をしたとして、不同意性交と不同意わいせつの罪に問われたのは、元お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二被告だ。その第6回公判が8月5日に東京地裁で開かれ、検察側は懲役7年を求刑。...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/8/4発売
    ■690円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク