社会
Posted on 2022年04月30日 09:59

駆け落ち斬殺か暗殺か‥‥新選組・佐々木愛次郎の死の真相

2022年04月30日 09:59

 新選組随一の美男子と言われた佐々木愛次郎は、果たして非業の死を遂げたのだろうか。

 近藤勇局長率いる新選組のファンは、老若男女問わず多い。中でも副長の土方歳三や一番組隊長の沖田総司は、いまだに「イケメン」として語り継がれている。土方歳三の場合は写真が現存しており、それを見る限りは色白の美男子といっていいだろう。だが沖田の場合は写真や絵姿は残っておらず「色の浅黒い」「ヒラメのような顔」という記述しかない。それを信じれば、イケメンの部類には入らないだろう。

 新選組には歴史小説の大家、子母澤寛が書いた「新選組物語」にもあるように「隊中美男五人衆」と呼ばれる存在があった。その中で随一の美男子とされていたのが、佐々木愛次郎である。佐々木は今でいう大阪、摂津の職人の息子だった。身長はそれほど高くはなかったが、撃剣で鍛え上げた体は引き締まっていたという。色も白く、後に東京・板橋に近藤勇の墓などを建てた二番組隊長の永倉新八も「古今の美男なり」と称したと伝わっている。

 この佐々木には、八百屋の娘、あぐりという恋人がいた。相思相愛で人もうらやむ仲だったという。このあぐりに当時の筆頭局長・芹沢鴨が横恋慕し、自分のものにしようとした。これを知った芹沢の取り巻きの佐伯亦三郎が奸計を巡らせ、2人に脱走と駆け落ちをするように入れ知恵をした。

 そして仲間と共に2人を待ち伏せて、佐々木を斬殺。享年18だった。佐々木に手込めにされたあぐりは、佐々木の死体のそばで舌を噛み切って死んだという。文久3年(1863年)8月のことだった。

 だが、その後の隊士名簿に佐々木の氏名が記載されていたという話がある。また、長州藩の間者だったが、新選組に寝返って長州側に暗殺された説も残っている。平隊士だったため真相は藪の中だが、板橋の新選組隊士慰霊碑にその名前は刻まれていないようだ。

(道嶋慶)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク