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記事全文を読む→ウチの猫がガンになりました(29)/もうこれ以上は打つ手がない…そんな気がした
10月28日、19時過ぎ、親しくしているCさんの娘、Kちゃんがお見舞いにやってきた。玄関に入るなり、「ジュテちゃ~ん」と呼んでいる。
ジュテがそのKちゃんの声に気が付いて、2階から降りてきた。姿を見た瞬間、Kちゃんが「エッ」と驚いている。
「ジュテくん、痩せましたね」
見慣れている我々は気が付かないが、しばらく見ていないと、変化がはっきりわかるのだ。
リビングに落ち着いたKちゃんは、毛ヅヤが悪くなっているのが気になるようで、ブラッシングをしようとした。ブラシはそもそも、Cさんが持ってきてくれたものだ。ゆっちゃんが「お腹の辺をやると痛がるの。ガンの腫瘍に当たるみたい」とKちゃんに言うと、ブラッシングはやめて、背中やお腹の辺を優しくさすってくれた。
「酸素室を見せてもらってもいいですか」
Kちゃんは「こういうのなんだ」と興味深げに見ている。
「業者が設置してくれて、すぐにジュテを入れたら、嫌がって出てきちゃった。また入れてみようか」
Kちゃんに中に入れてもらおうとしたが、やっぱり嫌がる。頼みの綱だと思っていた酸素室作戦は失敗かな。これがあれば、と思っていただけに、ガッカリ感は否めず。
その代わり、Kちゃんにベタベタに甘えた。すり寄って、撫でてもらうと喉を鳴らし、嬉しそうにしている。マグロの生の赤身を手から食べさせてもらい、満足げだった。この日、Kちゃんは1時間ほどいて帰っていった。
10月29日、12時に動物病院。酸素室を設置した話をすると「すぐには無理かもしれないので、少しずつ慣れさせるのがいいと思いますよ。苦しくなると、自然に入るようになるから」とアドバイスされる。
体重は2日前に比べて60グラム減って、3.42キロになっている。「朝から鼻水も垂れている」と伝えたら「抗生剤を入れましょう」と、いつもの補液に2種類を追加し、背中から入れてくれた。
こんな繰り返しで、もうこれ以上は打つ手がない。そんな気がした。
この日からは、微妙な変化も現れた。いつもは休みたくなるとベッドに行っていたのに、なぜかベッドにいないのだ。猫は死ぬ時は隠れてひっそりと消えていなくなる、といわれるが、もしかして…と思う。それにしても、どこへ。
探すと1階、玄関横の和室の押入の上段の奥に、前かがみになってジッとしていた。「ジュテ」と呼びかけても、虚ろな目をしている。覇気がない。
夜、押入のジュテに声をかけて連れ出し、ストーブの前に座って暖かくしてあげる。「何か食べる?」。カツオの生や焼いたシャケ、缶詰など並べてみる。どうにかシャケを食べたのだが、例の「ゴホッ」という嫌な咳をする。2階のベッドに連れて行くか、ストーブをつけたまま、ここにいさせるか。
「毛布かタオルケットを持ってきて、ストーブの前に寝るところを作ってあげようか。押入に行くかもしれないから、そこにも毛布を敷いておこう」
ゆっちゃんも、ザワザワした感じがしているに違いない。弟猫のガトーも心配そうに、リビングの椅子から見ていた。
(峯田淳/コラムニスト)
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