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記事全文を読む→爆風スランプは「夜ヒット」初出場でドラゴン花火を爆発させた!/日本音楽シーン「名作裏面史」
1980~90年代にかけ、有名アーティストたちの「武道館」への登竜門とされてきた東京・中野の「中野サンプラザ」が今年6月、ついに50年の歴史に幕を下ろすことになった。跡地は多目的ホールなどが入る施設として再開発され、28年度の完成を目指すというが、そんな中野サンプラザを、まんま逆さまにして芸名にしてしまったのが「サンプラザ中野くん」。そして、彼が率いるのが84年にメジャーデビュー、数々のヒット曲で知られる爆風スランプである。
爆風スランプは81年、ヤマハ主催の「EastWest」で最優秀グランプリを受賞した「爆風銃(バップガン)」のファンキー末吉(ds)と江川ほーじん(b)、優秀グループ賞受賞の、「スーパースランプ」にいたサンプラザ中野(Vo)とパッパラー河合(G)とで結成した4人組ロックバンドだ。
爆風スランプといえば多くのリスナーは、現在でも高校野球でのブラスバンド応援歌における定番曲で知られる「Runner」や、「進め!電波少年」(日本テレビ系)の「猿岩石のユーラシア大陸横断ヒッチハイク」の応援曲として大ヒットした「旅人よ ~The Longest Journey」、さらに「リゾ・ラバ」「大きな玉ねぎの下で~はるかなる想い」といった名曲を思い浮かべるはずだ。
しかし、実はデビュー当時の彼らは、歌詞のヤバさは当然のこと、ライブで客席に消火器を放射したり、スイカを投げたりと、「暴れん坊なコミックバンド」として知られる存在だった。
そしてその代表曲が、85年発売の12インチシングル「無理だ!決定盤~YOU CAN NOT DO THAT~」。一説によるとこの曲は、歌詞の内容に問題があり、NHKでは現在も演奏禁止なのだという。
ところが、まだBTOやコンプライアンスという言葉すら聞かない85年6月のこと。なんと、彼らがこの曲で、当時高視聴率を誇っていた音楽番組「夜のヒットスタジオ」(フジテレビ系)に初出演したのだった。司会の井上順に紹介され登場すると、いきなり江川がサンプラザ中野の頭に火をつけて楽曲がスタート。そのまま中野がスタジオ内を走りまわり、あ然とする歌手たちに握手を迫る。間奏では口にドラゴン花火を加え爆発させるという、「電撃ネットワーク」ばりの危ないパフォーマンスまで披露。さらには、画面下に歌詞のテロップが流れているにもかかわらず、中野は適当にアレンジして歌ってしまう。演奏終了後には井上から真顔で「(出演は)1回目で最後でしょうね」と言われるという、恐るべき初出場となったのである。
だが、強烈すぎるインパクトのおかげで、その知名度は急上昇。結果、その後も彼らは「夜ヒット」に呼ばれ続けることになるのだから、芸能界はわからないものだ。
そんな「無理だ!」が「決定盤(令和 Ver.)第三章」として、20年4月にリリースされたが、レコーディングにあたり、歌詞を一般から募集した。漫画家の浦沢直樹や三宅裕司、お笑いコンビの千鳥らを含め、1000通を超える応募があったという。今度はぜひ、NHKのステージでも披露してほしいものだ。
(山川敦司)
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