スポーツ

日ハムが盟主・巨人に噛みついた本当の理由(1) 菅野獲りを決意した「プロ宣言」

波乱を招いた今年のドラフト。その渦中の日本ハムは「巨人入り」を表明していた東海大の菅野智之に、まさかの1位指名。競合する巨人を押しのけて、みごと、交渉権の横獲りに成功した。球界の盟主に宣戦布告した裏には、30年に及ぶ巨人への怨念があったのだ――。

 何かが起きる運命のドラフト、今回もドラマが待っていた。昨年12月に巨人はドラフト1位指名することを公表。1月5日には、清武球団代表が、はやばやと東海大への挨拶を済ませるなど、誰が見ても巨人の単独指名が確実視されていた・・・・東海大・菅野智之に対し、果敢と言うべきか、無謀と言うべきか、日本ハムが指名に挑んだのである。
 場内が騒然とする中、日ハム関係者だけが、ニンマリしたのは一瞬だけ。津田球団社長が当たりくじを引き当てた瞬間は、緊張で顔がこわばったほどだった。
「勝算を言うよりも、ウチの球団姿勢として最高の選手を地元のニーズとチーム事情に合わせて獲りに行くのは当然のこと。菅野は最高の選手で、ウチのニーズに合っていただけのこと。それに、プロ志望届けもキチンと出しているんですから」
 ある日ハム幹部は、こうきっぱり言う。日ハムは〝地域密着〟を標榜し、地元ファンを含めての内部リサーチを徹底的に行ったうえで、ドラフトに指名する選手を決定する。そこには、球界の盟主たる巨人に対する遠慮もないと言える。つまり、最高と思う選手をここ数年指名しているのだ。
 昨年のドラフト1位、斎藤祐樹の獲得はファンからの声が圧倒的に多かった結果だし、一昨年の高校生ルーキーの中村勝は現場のニーズによるもの。いわば、〝いいものはいい〟の姿勢を貫いただけのこと。今シーズンに限っていえば、ダルビッシュがポスティングでメジャーに行く球団にとって、戦力的にも人気面でも、是が非でも菅野が欲しかったのは間違いない。
 さらには、梨田昌孝監督の退任により、栗山英樹新監督を迎えることも大きかった。 「さらなる目玉選手の獲得が急務となり、大学ナンバーワン投手を2年連続で獲ることによって商売ができる」(球団関係者)
 と踏んだのも一因だったようだ。さらに現場からも、
「彼は『プロ野球に行きたい』と仲間に漏らしていた」
 という声が上がってきたことも〝菅野獲り〟に拍車をかけた。
 しかも今回、菅野を指名した日ハムの担当スカウトは、かつて横浜に在籍していた00年のドラフトで、法政大学進学を希望していた内川聖一(現ソフトバンク)に対し、指名を強行。のちに周辺から「出入り禁止」を食らいながら、入団にこぎつけた敏腕スカウトだけに、「時間をかければ、落とせる」と踏んだ可能性もある。

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