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さらに福島第一の場合は1号機内部を撮影した映像から、高温で溶け落ちた核燃料が格納容器内で圧力容器を支える鉄筋コンクリート構造物「ペデスタル」のコンクリートを大量に巻き込んで溶かしながら落下したと見られている。このような混合物では、形状や硬さなどが十分に予測しきれず、取り出しに使うであろうロボットアーム開発なども一筋縄ではいかない可能性がある。そもそも高線量での作業となるため、ロボットが線量で作動不良を起こすことさえ想定しなければならないのだ。
それでも東電は、23年度後半にこれまで二度延期された2号機での試験的なデブリの取り出しを行うと発表している。すでに2号機側面の直径60センチのハッチから挿入する、全長22メートルのイギリス製の作業用ロボットアームも用意済みだ。
しかし、この計画で予定されているデブリの採取量はわずか数ミリグラム。もちろん、これは今後の取り出し作業をどのように進めるかを検討するための材料としてのデブリ採取であることは百も承知だが、ロードマップ終了は燃料デブリ取り出しで終了するわけではない。事故を起こした原子炉格納容器や原子炉建屋の撤去まで含んだ計画なのである。
このことを含めて現状を考え合わせれば、ロードマップの期限までの残り28年間は、とても十分な時間とは言い難い。
しかも廃炉費用は当初計画の2兆円から16年度に8兆円と、4倍もの上方修正が行われた。すでに1兆5000億円超の出費があったと言われるが、その支出が本格化するのはこれからで、一部はまだ現代技術が到達もしていない領域の進展も想定しなければならないのが現実である。
この廃炉費用は東電が自社の利益から積み立てることになっているが、現在の東電は、国が資産の半分を拠出した「原子力損害賠償・廃炉等支援機構(原賠機構)」が株式の半分以上を保有する「半国営会社」である。東電が被災者に支払う賠償金や被災地域の除染費用は国が国債を発行して調達し、原賠機構が一時的に東電に貸し付けている。
つまり事実上、国を挙げての廃炉事業であるはずだ。にもかかわらず、こうした計画の狂いを惰性で放置したままでは、許されるはずがないだろう。
ジャーナリスト・村上和巳
アサ芸チョイス
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