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記事全文を読む→世界の福本豊<プロ野球“足攻爆談!”>「レプリカユニホームに思うこと」
WBCは予想以上に盛り上がった。大谷が練習試合初戦から2発のホームランで景気づけ。片膝ついてのホームランにはモノの違いを見せつけられた。1次ラウンドから二刀流で圧巻の内容やった。それと今大会でブレイクしたのが、日系メジャーリーガーのヌートバー。塁上でのコショウひきのポーズが大流行りとなった。僕は大会前まで知らなかったけど、走攻守に素晴らしい選手。さすが強豪のカージナルスでレギュラーを張っているだけのことはある。スキのない走塁に闘争心、日本の選手が見習うべきところがたくさんあった。
4戦全勝の1次ラウンドは、はっきり言って対戦相手にも恵まれた。僕は他のプールの1次ラウンドもテレビでチェックしていた。ドミニカとベネズエラの対戦などはメジャーの選手ばかりでレベルが高かった。B組はメンバーを見ても、日本が勝って当然。試合序盤にモタついても、力の差があるので楽に見ていられた。逆に普段は野球以外の職についているチェコの選手が佐々木朗希の160キロの球に食らいついてくることに驚かされた。大谷から三振をとった投手も一生の記念になったと思う。
残念やったのは源田。韓国戦の二塁走者の際、牽制の帰塁で右手小指を痛めた。「頭から帰ったらケガするから足から帰れ」は、僕が常々言っていること。ケガをすると自分だけでなく、チームにも迷惑がかかる。源田は自分がショートを守っているんやから、牽制のタイミングは十分に予測がついていたはず。余裕を持って足から帰ってほしかった。オープン戦を見ていても、足を使わずに横着している選手が多い。ヘッドスライディングで帰る癖は直しておかないと、後悔してからでは遅いんやから。
それにしても、WBCは侍グッズも売れまくって、営業的にも大成功となった。レプリカユニホームは並んでもなかなか買えないらしく、もっと数を準備すればよかったのにと思う。結局、希少価値があるから、転売目的で買う人が増えてくるんやから。帽子ももっと売れたらいいのになと思う。僕らの子供の頃は巨人など野球の帽子をかぶった子供が街中にたくさんいたけど、今はあまり見かけなくなった。商売抜きでジャパンの帽子を子供たちに無料で配ったら、みんなかぶってくれて、もっと野球人気の回復につながったと思うんやけど。
ユニホームの話をついでにもう一つ。阪急ブレーブスのユニホームとそっくりの北陸高校が春の甲子園に出場したこともうれしかった。赤を基調としたデザインは高校生には少し派手やけど、やっぱり格好いいなと思う。このユニホームを見て、阪急を思い出してくれる人がいるのは素晴らしいこと。
そう考えると、守れる伝統はもっと大事にしなアカン。昔の西鉄のユニホームとかもすごくシンプルやけど格好よかった。今はどの球団もレプリカユニホームを買ってもらいたいから、デザインをコロコロ変えることが多い。企画ユニホームなどシーズン中に何種類も着用している。たまにやるのはいいけど、やりすぎるのもどうなんかな。阪急のユニホームのように何十年経っても覚えてもらえるのは、チームが強かったこともあって、ファンの印象に強く残っているから。目先の金ではなく、大切にしないといけないものもあるということやね。
福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。
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