政治

日本維新の会&結いの党 “話題性ゼロ”で合体延期のトホホな裏事情

20140911hi

 野党&政界再編、そして政権奪取へ向けて意気込む日本維新の会と結いの党。ところが両者の「合体」協議は迷走し、反撃どころではないという。理由を聞けば、何とも情けないかぎりで‥‥。

 日本維新の会・橋下徹代表(45)は、結いの党・江田憲司代表(58)との話し合いで当初、9月7日の新党結成という日程で話を進めていた。ところが──。

「内閣改造が具体化した1カ月ほど前、両党の国会議員団幹部の間で結党延期の案が出始めた。維新と結いが定期的に開く両院議員懇談会でも話題になっています。理由は『ちょうどその時期には内閣改造があるから、そこは外そう』でした」(日本維新の会・議員秘書)

 内閣改造があると都合が悪い事情とはいったい何か。全国紙政治部デスクがアキレ顔で言う。

「維新幹部によれば、『内閣改造となれば、マスコミの関心はそっちに行ってしまう。我々の合流、新党結成が話題にならず、注目を集められない』。結果、9月21日にズレ込んだのです」

 だが、先の秘書はこう言ってため息をつくのである。

「正直、合体してもパッとしない。橋下代表が国会議員になるとかじゃないかぎり、結党日をズラしたところで、これといって大きな話題は何もないからです」

 話題性ゼロだから、せめて内閣改造にかき消されることだけは避けたい──。そんなトホホな裏事情には、さらに続きがあった。

「実態としては、両者の政策が食い違っているため調整期間を作ろうと、内閣改造の時期を『表向きの理由』とした面もあるのです」

 こう話すのは、維新関係者である。

「例えば、集団的自衛権行使の問題。維新は限定容認ですが、結いは個別的自衛権の拡大で対応すべき、と主張する。消費税増税についても、維新は増税分を地方税化するならOKの立場ですが、結いは増税前に行政のムダを省くなどやることがある、と反発。原発政策は、維新の脱原発依存に対し、結いは原発ゼロ。橋下氏が市長を務める大阪市は関西電力の株主ですから、ゼロというのは非現実的なんですよ。さらには、維新は新党名に『維新』の文字を入れろと要求し、本部は大阪に置く、と。しかし結いは、本部は大阪でもいいが幹事長は東京に置くべきと、何やら矛盾した主張を展開しています」

 橋下氏と江田氏の共同代表制にするという点だけは合意しているが、維新内部には江田氏に対する根強い警戒心が残っているという。前出・デスクによれば、

「江田氏は大阪を見下しているうえ、神奈川県選出の議員ですが、出身は岡山県。その地元での評判がすこぶる悪く、『あの男はトップになる資質、器がない。知事レベルだ』と言われている」

 そこで維新の中堅議員から浮上したのがなんと、維新の重鎮・片山虎之助氏(79)を代表にしてはどうか、との案だった。

「将来的に橋下氏が国会議員となって党を掌握するまでのつなぎ、臨時措置として、年齢的にも長くやりそうにない人、という理由からです。総務大臣経験者のベテランでもありますからね。まぁ、可能性はほとんどないでしょうけど」(前出・秘書)

 まさにトホホな迷走。うまくいきそうな予感は今のところ‥‥ない。

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