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記事全文を読む→世界の福本豊<プロ野球“足攻爆談!”>「阪神の恥ずかしいオールスター」
阪神の近本光司が死球で肋骨を骨折して、7月4日に出場選手登録を抹消された。全試合に1番打者で出場していただけに、阪神打線は大きな得点源を欠くことになった。オールスターのファン投票でも両リーグ最多得票で選出されていた。人気も実力も兼ね備えた選手やからこそ、あえて厳しく言うと、上手に逃げれば避けられた骨折だ。
2日の巨人戦で左腕・高梨の球が右脇腹に直撃。その後もセンターの守備に就き、打席にも立ったが、その時はアドレナリンが出てたんやろな。試合後に痛みがひどくなったはず。僕は肋骨を折ったことないけど、体をひねれないので、バットを振るのはきつい。復帰には少なくとも1カ月近くはかかると思う。1番打者はほんまに大事。巨人は坂本が機能し始めた途端に離脱し、苦しんでいる。DeNAも関根が調子よかった時が打線にいちばん勢いがあった。セ・リーグで不動の1番打者は菊池ぐらい。それも広島が上位で頑張れている理由の一つやね。
近本の死球の場面に戻ると、腰を引くように逃げて、体の側面にまともに食らった。あれは体をクルッと回転させて、背筋で受けないとアカン。僕はああいう球が常に来るものと、心構えしていたし、その練習もしていた。近本は打ちたいという気持ちだけで、危険な球に対する心構えはできていなかったんちゃうかな。今の選手はエルボーガードをしていることもあって、逃げ方が雑になっている。うまく当たる練習もしたことがないのかもしれん。それもプロの技の一つなんやけどね。
阪神でセンターを守れる選手は少なく、代役の一番手は島田になる。足も肩もあって、バッティングも悪くない。5日の広島戦では1番に起用されて、森下からプロ1号の先頭打者ホームランを打った。もう2度とないチャンスぐらいに思って必死にプレーしなアカン。それと、恥ずかしい成績でオールスターのファン投票に選ばれた他の9人がもっと頑張らなアカンわ。
投票の時期は阪神が絶好調やったこともあって、驚きの結果になった。先発・村上、中継ぎ・岩崎、抑え・湯浅、捕手・梅野、一塁・大山、二塁・中野、三塁・佐藤輝、遊撃・木浪、外野・近本、ノイジーと、外野の秋山(広島)以外は11人中、10人がタイガース勢となった。でも成績だけで見たら胸を張って出られるのは、村上、中野、大山、近本の4人だけ。あとは「おまけ」で選ばれたようなもん。佐藤輝なんかも2軍落ちするほどの不振やったし、ファンに感謝しつつも、複雑な気持ちやと思うで。
阪神のオールスタージャックと言えば、1978年のオールスターを思い出す。外野の僕以外の8人が日本ハムの組織票で選ばれた。成績を伴わない選出に世間の風当たりはきつかった。事態を重く見た日本ハム球団はそのうち2人を辞退させた。今は球場に投票用紙が置いてあるし、ウェブでも投票できる。当時はハガキだけ。ファンが実際にお金を出して投票してくれるんやから、今より一票の重みがあった。僕も選ばれるために毎年「打率3割」を意識していたし、12球団最多得票をもらえた時はホンマにうれしかった。
今年の投票結果は阪神ファンの18年ぶり優勝への渇望や。近本離脱のアクシデントをどう乗りきるか。岡田監督の腕の見せどころでもある。
福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。
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