社会

【鉄道珍百景】起点も終点も接続なしの不便路線「上毛電鉄」が編み出した秘策

「盲腸線」をご存知だろうか。鉄道路線の起点、または終点のどちらかしか他の路線に接続していない、短い路線のことを言う。そんな盲腸線よりもはるかに利用が難しい路線が群馬にある。中央前橋駅と西桐生駅を結ぶ、上毛電鉄の上毛線だ。

 起点の中央前橋駅はJR前橋駅と約1キロも離れており、両駅の間には連絡バスが運行されている。西桐生駅は、JR東日本とわたらせ渓谷鐵道の桐生駅まで約350メートルあり、徒歩で移動しなければならない。起点と終点、どちらも他線と接続していないのだ。

 唯一、他線と接続しているのが西桐生駅から5駅目の赤城駅で、東武鉄道の桐生線と繋がっている。

 両端で接続しないのは不便であり、それぞれ前橋駅、桐生駅まで延伸する計画が何度も持ち上がったが、

「線路を通す場所がなく、用地を買収する資金もないので断念されたまま今に至ります。一時は上毛線をライトレール化して前橋まで伸ばすという計画もありましたが、費用が莫大になるため実現しませんでした」(鉄道ライター)

 そんな不便な上毛線は乗客の減少に悩んでいたが、ある「秘策」によってなんとか続いている。その秘策とは「サイクルトレイン」だ。鉄道ライターが解説する。

「自転車を車内に持ち込むことができる列車のことです。平日は朝のラッシュ終了後から終電まで、土日休は終日、自転車を持ち込める。利用しているのは主に学生。家から最寄り駅まで自転車で移動し、自転車を持ち込んで降りた駅から学校まで再び自転車に乗っていくことができます。これによって学生の利用が増えたと言われています。最近はロードバイクを持ち込んで、沿線を旅する観光客も見かけるようになりました」

 車内に自転車が並ぶ様子は一見の価値ありだ。

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