社会

アゴダ、トリバゴ…海外系旅行予約サイトを使ったら「泊まれない」上に苦情も通じない「怒髪天の実体験」

 いよいよ夏休みも本番。3年ぶりの行動制限がない夏に、旅行の計画を立てている人は多いだろう。筆者は宿泊料金が安いうちに旅行してきたのだが、予算の範囲内で1日でも長く滞在しようと宿泊費をケチったために、トンデモナイ目に遭った。

 バナナマンがテレビCMに出演している「アゴダ」で、湘南の古民家を予約。当日、現地に到着すると鍵がかかったままで、担当者とは連絡がつかない。

 アゴダは業界最安値で宿泊予約できる便利なサイトだが、その一方で、電話でもメールでも日本人スタッフが対応してくれるとは限らない。しかもシンガポールに本社があるアゴダが予約代行している場合と、アゴダを経由してオランダに本社がある「ブッキングドットコム」や「トリバゴ」が予約代行している場合がある。予約時にクレジットカード決済を求められ、その後はどんな理由があってもいっさいの返金を受け付けない「クセの強い予約」は、アゴダを経由してブッキングコムに飛ばされるケースが多い。

 筆者も問い合わせるまで全く気が付かなかったが、アゴダ⇒ブッキングコム⇒古民家が管理委託している別の海外宿泊代行サイトと、3つのサイトを経由して古民家のオーナーに予約されていた。「中抜き」もいいところだ。

 ここで注意しなければならないことが2点ある。アゴダもブッキングドットコムも慌てて問い合わせ先の通話ボタンを押すと、国際電話でイギリスやオランダ、シンガポールの苦情窓口につながるのだ。あるいは連絡のつかない「宿泊先の連絡先に問い合わせて下さい」と、連絡先がわからないから困っている顧客をバカにしたような日本語応答メッセージが流れるばかり。

 焦らずにアゴダの公式サイトからチャットを駆使し「このままでは今日は泊まれないから、予約を変更しろ!」と日本語が不自由なオペレーターの相談窓口にどうにかして繋げないと、交渉もできない。

 日本語が不自由なオペレーターに「対応できないなら、このまま警察に行って詐欺の被害届を出す」と日本語と英語で強弁して10分後、古民家のオーナーとようやく連絡がついた。

 このオーナーによれば、3つの予約サイトを経由していたことで、システムエラーによって予約者の名前も住所も連絡先も消える仕様になっていたのだと。すなわちオーナーには宿泊者の名前も連絡先も伝えられておらず、当日キャンセルされたと思っていたというのだ。宿泊者も宿泊先もお互いに連絡先がつかない、トンデモ仕様だったことになる。

 間に入った3社に手数料をピンハネされながら、予約者の情報が全て消える欠陥システムが一向に改善されないことにモヤモヤするばかりだ。

 それでも古民家オーナーの丁寧な説明に思い当たることがあって、ようやく筆者もクールダウンした。

 実はクリニックや病院で使う電子カルテでも、同じトラブルが続発している。がめつい病院経営者がコスト削減のため、富士通やNTTグループといった老舗の企業から、ランニングコストの安い海外のIT企業に電子カルテを変えたところ、ハッキングやフリーズのトラブルが続出。この春から医療現場で診療業務に支障が出ている。

 マイナンバーのトラブルでもわかるように、日本のIT企業は世界のIT技術と比べて地球3周以上遅れ、融通も利かず、使い勝手が悪い上に料金が高い。一方で海外のIT企業は安くて使いやすいが、すぐにトラブルを起こすし、サービスは最悪。アフターサービスのきめ細やかさは、日本企業のようにはいかない。

 顧客も個人経営者も中小企業も、国内外のIT企業にいいように中抜きされず、システムエンジニアの待遇と働きやすい環境を改善しないと、病院や銀行、旅行業のみならず、通信や交通インフラといったライフラインが機能不全に陥るかもしれない。

(那須優子)

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