スポーツ

藤浪晋太郎がリリーフ転向成功の裏で捨てた「ストライクを取れる球種」

 オリオールズの藤浪晋太郎投手は8月6日(日本時間7日)のメッツ戦で、2点リードの8回に4番手で登板。自己最速の102.6マイル(約165キロ)をマークするなど1回を2奪三振。9球すべてストライクで3者凡退に抑え込んで今季4度目のホールドをマークした。

 2日のブルージェイズ戦では、四球、2者連続押し出し死球と大乱調。しかし4日のメッツ戦で9回から4番手で登板した際は、1回1安打無失点で試合を締めている。前回登板に続き好投を見せた藤浪。ときおり制球を乱す傾向が出てしまうものの、着実に結果を残しているといえるだろう。

 そんな藤浪の復活ぶりについて、阪神OBの掛布雅之氏は4日に更新した自身のYouTubeチャンネルで語っていた。

 掛布氏は藤浪が日本にいた時期「スライダーを少し減らしたらどうだ?」とアドバイスしたことがあるといい、その理由について、

「藤浪が一番ストライクを取れる球種がスライダー。スライダーを投げようとするとピッチャーいわく『肘が下がる』と言うんだよね。肘が下がると真っ直ぐが叩けなくなる。それで球が抜ける」

 と独特の表現で説明。阪神の臨時コーチをやったときの山本昌氏も藤浪に対しスライダーの数を減らして真っ直ぐとカットボールとフォークボールで勝負したほうがいいと助言していたという。

 掛布氏はさらに、藤浪はメジャーでは先発では良い結果が出なかったが、現在はリリーフの短いイニングのためスライダーを使わなくていい状況。それだけに球種を減らしたことが今の成功につながっているとして、

「日本の野球はすごく繊細にピッチングを組み立てていく。藤浪は繊細に組み立てる頭は持っている。その繊細な部分が藤浪のピッチングを邪魔していた。完璧を求めすぎた。メジャーでハンドルの遊びじゃないけど、繊細な頭の野球をちょっと捨てることができたんじゃないかな」

 と話していた。

 藤浪のさらなるオリオールズでの活躍に期待したい。

 (鈴木十朗)

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