芸能
Posted on 2023年10月22日 17:59

タモリを憮然とさせたロシアデュオ「t.A.T.u.」生放送から逃亡劇/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

2023年10月22日 17:59

「それはやっぱりt.A.T.u.(タトゥー)でしょう。あれは忘れられないですし、あれを超える出来事はないでしょうね」

 これは一昨年10月、「同一司会者による生放送音楽番組の最長放送」として「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)がギネス認定された際、番組で最も印象的な出来事を聞かれたタモリが放った言葉だ

 t.A.T.u.は1999年に結成された、ジュリアとレナからなるロシア人デュオ。当時10代だった2人は、抜群の歌唱力と話題性で世界のポップスシーンを席巻。しかし根っからの性格なのか、プロデューサーがデッチ上げた「スキャンダルで話題性を狙う」戦略だったかは知らないが、とにかく言いたい放題、やりたい放題で、世界各国、行く先々でお騒がせっぷりが話題になっていた。

 そんなt.A.T.u.が初来日したのは2003年6月。ところが、6月27日放送の「ミュージックステーション」出演の際、番組冒頭では姿を見せたものの、その後、忽然と姿が見えなくなり、生放送をドタキャン。翌28日にはテレビ朝日に抗議が殺到した。29日夜に記者会見を開いた2人は、

「日本のスターに囲まれ、自分たちが邪魔ものみたいに扱われた」

 というワケのわからない弁明に終始。ロシア人プロデューサーにいたっては、

「番組について事前に詳しい説明がなかった。イメージを崩さないために歌わないのは、よくあることだ」

 実にとんでもない言い訳を連発し、報道陣から一斉にブーイングが出たのである。

 言うまでもなく、12月の東京ドーム公演は、定員の半分にも満たない悲惨な状況で、主催する日本テレビの関係者によれば、

「チケットが全く売れず、大赤字は必至。ただ、ドームがガラガラではシャレにならないので、社員に配ったり、余興の景品に出したりと、それこそ局を挙げて数合わせのために大わらわ。仕事になりませんよ」

 そんなスキャンダルのせいで、もうこの2人の来日はないだろうと思っていた筆者のもとに、なんと再来日して記者会見を開くとの連絡が入ったのは、7年後の2013年10月だ。

 そこで10月17日に都内で行われた「スニッカーズ新CM発表会」に出かけることになったのだが、2人が言うには、

「あの時はプロデューサーから電話があり、『理由はあとで話すから、今すぐ2人とも逃げろ』と…。私たちもよくないことだとわかっていました。でも指示には逆らえず、あとで話題作りのためだったことがわかりました。あれから何度も謝罪して『ごめんなさい』という曲も書きました。過去は過去、もうこれ以上のごめんなさいは必要ない。前を向いていきましょう」

 勝手に自己完結の弁を展開したのだった。

 むろん、翌日の新聞には「反省の色なし」の文字が並んだことは言うまでもないが、生放送で憮然と「t.A.T.u.が出たくねぇと申しております」と言い放ったタモリのあの表情が、今も目に焼き付いている。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

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