芸能

タモリを憮然とさせたロシアデュオ「t.A.T.u.」生放送から逃亡劇/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

「それはやっぱりt.A.T.u.(タトゥー)でしょう。あれは忘れられないですし、あれを超える出来事はないでしょうね」

 これは一昨年10月、「同一司会者による生放送音楽番組の最長放送」として「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)がギネス認定された際、番組で最も印象的な出来事を聞かれたタモリが放った言葉だ

 t.A.T.u.は1999年に結成された、ジュリアとレナからなるロシア人デュオ。当時10代だった2人は、抜群の歌唱力と話題性で世界のポップスシーンを席巻。しかし根っからの性格なのか、プロデューサーがデッチ上げた「スキャンダルで話題性を狙う」戦略だったかは知らないが、とにかく言いたい放題、やりたい放題で、世界各国、行く先々でお騒がせっぷりが話題になっていた。

 そんなt.A.T.u.が初来日したのは2003年6月。ところが、6月27日放送の「ミュージックステーション」出演の際、番組冒頭では姿を見せたものの、その後、忽然と姿が見えなくなり、生放送をドタキャン。翌28日にはテレビ朝日に抗議が殺到した。29日夜に記者会見を開いた2人は、

「日本のスターに囲まれ、自分たちが邪魔ものみたいに扱われた」

 というワケのわからない弁明に終始。ロシア人プロデューサーにいたっては、

「番組について事前に詳しい説明がなかった。イメージを崩さないために歌わないのは、よくあることだ」

 実にとんでもない言い訳を連発し、報道陣から一斉にブーイングが出たのである。

 言うまでもなく、12月の東京ドーム公演は、定員の半分にも満たない悲惨な状況で、主催する日本テレビの関係者によれば、

「チケットが全く売れず、大赤字は必至。ただ、ドームがガラガラではシャレにならないので、社員に配ったり、余興の景品に出したりと、それこそ局を挙げて数合わせのために大わらわ。仕事になりませんよ」

 そんなスキャンダルのせいで、もうこの2人の来日はないだろうと思っていた筆者のもとに、なんと再来日して記者会見を開くとの連絡が入ったのは、7年後の2013年10月だ。

 そこで10月17日に都内で行われた「スニッカーズ新CM発表会」に出かけることになったのだが、2人が言うには、

「あの時はプロデューサーから電話があり、『理由はあとで話すから、今すぐ2人とも逃げろ』と…。私たちもよくないことだとわかっていました。でも指示には逆らえず、あとで話題作りのためだったことがわかりました。あれから何度も謝罪して『ごめんなさい』という曲も書きました。過去は過去、もうこれ以上のごめんなさいは必要ない。前を向いていきましょう」

 勝手に自己完結の弁を展開したのだった。

 むろん、翌日の新聞には「反省の色なし」の文字が並んだことは言うまでもないが、生放送で憮然と「t.A.T.u.が出たくねぇと申しております」と言い放ったタモリのあの表情が、今も目に焼き付いている。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「花咲舞が黙ってない」第3シリーズ「主演候補」は今田美桜のほかにもうひとりいた
2
やす子に異変!最大のストレス発散法「貯金額を見る」で大いに問題になること
3
【悲願構想】巨人「築地ドーム球場建設」2034年に本拠地移転でついに「松井秀喜監督」を誕生させる
4
テレビ朝日・斎藤ちはるアナ「ラグビー姫野和樹とお泊まり交際」に局内大歓迎の理由
5
佐々木朗希・佐藤輝明・堂林翔太の「欠陥プロ野球カード」に「マニア大量購入⇒高額転売」のウハウハ